長野県と富山県の県境に位置する日本最大級のダム、黒部ダム。正式名称は、関西電力「黒部川第四発電所」。広く「くろよん」の愛称で親しまれ、国内外から多くの人が訪れる人気の観光スポットです。エメラルドグリーンの美しいダム湖では、大迫力の観光放水や遊覧船クルーズなど、楽しめるコンテンツがたくさん。2023年に竣工60周年を迎え、さらなる盛り上がりを見せる黒部ダムを100倍楽しむオススメ情報をご紹介します。
レトロな造りがかわいい「扇沢駅」から電気バスで黒部ダムへ出発
有料350台、無料350台の駐車場を備える扇沢駅。マイカーの立ち入りはここまで
黒部ダムは、3000m級の山々が連なる中部山岳国立公園を横断する「黒部立山アルペンルート」の中に位置します。自家用車など車両の乗り入れができないため、長野県側か富山県側、いずれかのルートからバスなどを利用してダムを目指すことになります。
長野県側から行く場合は、大町市にある「扇沢駅」が出発地点。電車の場合はJR信濃大町駅が最寄り駅となり、路線バスやタクシーで扇沢駅まで行くことができます。
外の景色を可愛らしく切り取る、扇沢駅駅舎の丸窓
レトロな雰囲気が魅力の扇沢駅の駅舎には、限定のお土産を扱うショップやレストハウスなどが設けられています。バスのチケットを購入したら、休憩スペースや展望テラスから景色を楽しむのもおすすめです。
全長5.4kmの道を進む電気バス。乗車時間は16分ほど
扇沢駅から黒部ダム駅までは、関電トンネルを走る「電気バス」に乗って進みます。夏でも涼しいトンネル内には、黒部ダム建設の最難所と言われた「大破砕帯(だいはさいたい)」があるので要チェック。トンネルの岩肌が青い光で照らされ、今も水が流れ出ている様子が見られます。
5カ所ある展望スポット。タイミングが合えば虹のかかる観光放水も見られる!
一番高いビュースポット、ダム展望台からの景色は開放感も抜群
終点の「黒部ダム駅」についたら、まずは220段の階段を上がって「ダム展望台」へ。広がる青空にエメラルドグリーンの美しいダム湖、アーチ型の堰堤や観光放水などが一望できるビュースポットです。
下るごとに水飛沫が近くなる外階段には、フォトスポットが点在
観光放水は、毎年決まった時期決まった時間内に、毎秒10t以上の水が霧状となって流れ落ちる黒部ダムの風物詩。「外階段」や「放水観覧ステージ」、「レインボーテラス」や「堰堤」など計5カ所のビュースポット から見ることができます。
堰堤から見られる真上から見下ろす観光放水は、レースのように繊細な水の流れ
場所によって見える景色が変わるのも一興。この日は堰堤の上から、谷底にかかるダブルレインボーを見ることができました!
遊覧船「ガルベ」で北アルプスの山々を一望する湖上クルーズへ
可愛らしい木の看板が目印
アーチ型の堰堤を渡り、トンネルを抜けたら、遊覧船「ガルベ」の船着場が見えてきます。遊覧船の運行はおおよそ1時間に1本。各ビュースポットからは少し距離があるので、乗船時間に余裕を持って移動するのがおすすめです。
乗船料は大人1200円、小学生以上600円。船内は、座席とデッキを自由に行き来できます
「ガルベ」は、日本で最も高い場所を運航する遊覧船で、最高標位1448mの黒部湖を30分かけて巡ります。
船首に向かって右側が富山県、左側が長野県
船が浮いて見えるほど透き通った水面。湖上からは、雑々しくそびえる立山をはじめ、北アルプスの山々が望めます。左右それぞれで、咲く花や木々に違いが見られるのも、富山県と長野県にまたがる黒部湖ならでは。船内アナウンスでは、黒部の歴史や植生についても説明してくれます。
初心者でも気軽に森林浴とトレッキングが楽しめるように整備されています
船着場の奥には、吊り橋と湖畔遊歩道が続いています。遊歩道の先にはブナの原生林や湧水など、みどころも盛りだくさん。アクティブ派の人はぜひ足をのばしてみてくださいね。