今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ぐずぐずしつつ生きていく
今週のさそり座は、別の仕方で「責任」ということを受け止めていこうとするような星回り。
20世紀を代表する哲学者であるレヴィナスはラジオ講座を収録した『倫理と無限―フィリップ・ネモとの対話―』の中で、「責任とは他人に対するもの」であり「他人との絆はただ責任として結ばれ」るのだと述べた上で、そうした責任とは「いかなる対話にも先立つ奉仕」であり、「他人の中にみられる表情(人間の身体全体も、その意味では多かれ少なかれ、顔なのですが)」によって差し向けられるものなのだと語っていました。
さらに「私が他人に臣従するのは、まさに他人と私の関係が相互的なものではないからであって、その意味で、私は本質的に「主体=臣下(subject)」なのです。すべてを引き受けるのはこの私の方なのです」と述べています。
あなたもまた、こうした言わば“下”からのイニシアチブに基づいて、他人との近さの中で積極的に責任を負っていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
戦線を拡大せよ
今週のいて座は、破格の熱情を自分自身だけでなく、他者にまで求めていくような星回り。
『埋火に妻や花月の情鈍し』(飯田蛇笏)という句のごとし。おそらく夫に対し、自然に対し、文芸に対し、いやそもそも人生に対して、熱く濃い情をもっているどころか、その逆でどこか冷ややかに感じられてしょうがないのだ、といったところでしょうか。
とはいえ、この妻が並外れて冷ややかという訳でもなく、むしろ普通の人以上にそのことを責める夫の側こそ、破格に熱情的であり、他の誰にも増して妻に期待している人間なのかも知れません。
あなたもまた、いつも以上に他者に対する期待感や物足りなさが高まっていきやすいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
オルタナティブな像を結びなおす
今週のやぎ座は、どこかに必ず待ち受けているだろう待ち伏せに備えていこうとするような星回り。
たとえば夜、川や谷で「シャリシャリシャリ」という、あずきを洗うような音がする。それは小豆とぎという妖怪が音を出しているのだ。そんな伝承が、かつては日本各地に残っていたそうです。
今どき妖怪なんて言えば、無知や妄信のレッテルを真っ先に貼られてしまいそうですが、そもそも妖怪というのは近代的知性によって「解明」され「克服」されるべき対象などではなく、ただ「感じる」もの。
今週のやぎ座においても、そうした目に見えない、音や気や、不可解な「感じ」としか言いようがないものこそが、これまで見えていなかったもう一つのリアリティーを作り出すきっかけとなっていくはずです。