とはいえ、テキスタイルのものづくりを取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
「遠州織物で有名な静岡県西部の工場でつくられた生地も使用させていただいていますが、やはり後継者不足などの今後の課題についてはよく耳にしています。
特に、日本のものづくり産業は細かな分業制を敷いているところも多く、どこかが後継者不足で廃業した場合は、その影響で産地ごと消えてしまうという可能性もあると考えられます。事業継続ができないことで、日本国内のみならず海外でも使用されている上質なテキスタイルをつくっている産地がなくなってしまう。そんな未来は悲しいですね」
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こうした状況もあり、いずれは産地の課題解決にも関わることができるような取り組みをしていきたいと話す長谷川さん。
「そのためにも、いまはトレンドなどに左右されず、焦らずにコツコツと事業を続けていきたい。そして、QUILTOが媒介となることでものとの出会いの可能性について発信していきたいと思っています。
私自身もつくり手をリスペクトしているので、その過程で出会った人たちともっと話をしたいし、その人たちについてももっと知ってもらいたい。さまざまなつくり手さんたちとの対話を通して、一緒に”企み事”をしていきたいというのが今の原動力です」