新学期は、学校生活で心配なことが増えたり、さまざまな家庭の子育てに触れる機会が訪れたりする時期。小学生の子育てには、乳幼児期とはまた違った悩みが生まれます。そこでOTEMOTOでは、親子サポートプロジェクト「6歳からのneuvola(ネウボラ※)」をスタート。こどもが小学1年生になる保護者が悩みがちなテーマについて、"先輩"や"同期"にあたる保護者たちのリアルな声を紹介していきます。
ひとつの正解はないけれど、みんながどう対処しているのかを知ることで、「うちの子には何が合うのか」を考えるヒントになりますように。第1回では「ゲーム事情」を取り上げます。
※ ネウボラ = フィンランド語で「アドバイスの場」という意味。妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを提供する自治体が日本でも増えています。
※アンケートは引き続き募集中です
OTEMOTO
「こどもにゲームをさせますか?」。アンケートで質問すると、こどもの年齢を問わずほとんどの保護者が「ゲームをさせている」と回答しました。
香川県が2020年に制定した、こどものゲーム時間を1日60分までに制限することを保護者に求める「ゲーム条例(香川県ネット・ゲーム依存症対策条例)」は物議を醸しました。幼い頃からゲームに慣れ親しんだ30代40代の保護者は、わが子がゲームをすることにもおおむね好意的なようです。
それぞれのゲーム事情
では実際、時間制限や課金などはどうしているの?それぞれの家庭のルールや考え方を聞いてみました。
「こどもが興味を持ったことは、暴力的なものや性的なものを除いて、できる限り何でもやらせています」(30代父親 / 年長男子 / 神奈川県)
「タブレットでパズルや着せ替えや模様替えをするゲームなどを好んでしているので、頭の体操や創造力にもつながるかな~?と思ってさせています」(40代母親 / 4年生女子 / 奈良県)
「自分がこどもの頃にやりたいことを親から『なんとなく』制限されていたことに疑問を感じるし、こどもが何に夢中になるか、飽きるのかを見守るのも親の役目ではないかと思う。ただし、こどもが自分でコントロールできるよう、ケジメはつけさせるようにしたいですね(もちろん守りませんが笑)」(40代父親 / 4年生女子 / 東京都)
「ゲームを禁止すると余計に執着したり、友達とのコミュニケーションにも影響があるため。また将来的には自分でルールをもって楽しむものだと思うので、時間をかけて得ていく過程もある」(40代母親 / 4年生男子 / 東京都)
写真はイメージです
Adobe Stock / 中村健二
「幼稚園のとき、コロナ感染でどこにも行けなくなったときに親が耐えきれずにNintendo Switchを買い与えてしまいました。思ったよりハマっておらず、1日30分程度でおさまっています」(40代母親 / 1年生男子 / 埼玉県)
「小学3年生の長女の友達はみんなNintendo Switchを持っていますが、『弟が1年生になるまでは我慢ね』と言い聞かせています。『ゲーム=お友達の家でやるもの』というマインドセットで子どもたちにはお願いしています」(40代母親 / 3年生女子 / 神奈川県)
「友達もそれほどゲームをしておらず情報がないせいか、本人も興味がない感じなのでゲームの存在自体を教えていない。『ママ~、あつ森って何?』と聞かれたけど、『ママも知らないなぁ』で話は終了。年中の妹は3歳からタブレット学習(スマイルゼミ)を始め、ご褒美コンテンツを楽しみに勉強している。親としてはしめしめ(笑)」(40代母親 / 4年生女子 / 東京都)
どんなゲームで遊んでいる?
家庭用ゲーム機でこどもが遊んでいるゲームとしては、「マイクラ(Minecraft)」「あつ森(あつまれ どうぶつの森)」「マリオカート」「Roblox(ロブロックス)」「スイカゲーム」「ポケモン」などのソフトの名前があがりました。
また、タブレットやスマートフォンのアプリでは、パズルゲームやリズムゲーム、アートや知育の要素が強いものが人気でした。ゲームを通して、クリエイティブ能力や知識などが養われることに期待する声も複数ありました。
「タブレットで2歳からYouTubeを見せているが、だんだん飽きて集中できない様子だったので、ひらがなやパズルなど知育アプリを解禁。 徐々に年齢に応じたアプリに入れ替え、リズムゲームやアート要素のある内容を経験させた。 家庭用ゲーム機については夫婦で考えが違い、夫の方針で9歳をめどに解禁する予定」(30代母親 / 1年生男子 / 岐阜県)
「息子2人とも小さい頃から特に制約しなかったところ、長男はゲームより別の趣味を楽しみ、次男はゲームが得意で家にいるときほぼゲームをしています。 結局、本人が何かを極めていけるならそれでいいのでは」(40代母親 / 3年生男子 / 神奈川県)
時間制限どうしてる?
ゲームはやるべきことをやってからというルールで、時間制限を設けている家庭が多かったものの、「いったん遊び始めると、やめさせるのが難しい」という意見も寄せられました。
スクリーンタイムを使ったりアラームをかけたりしてプレイ時間を可視化するさまざまな工夫をしている保護者も。一方、ゲームが佳境のときの中断しづらさに一定の理解を示し、柔軟に対応している家庭もありました。
「1日2時間、夜は22時頃までなど、年齢相応のルールを話し合って決めている」(40代母親 / 4年生男子 / 東京都)
「小学生は宿題や課題が終わってから。幼児はご飯や着替えが終わってから。1回15分まで。複数でやるときは人数✕15分。連続でやるときは、休憩を挟むこと。夜は20時まで。親がアプリで時間を入れないとできないようにしています」(50代母親 / 5年生女子 / 神奈川県)
「現在のルールは、『課金NG』『やるべきことをやってから』『ごはんのときなど声をかけたらゲームをやめること(今すぐやめられないときは、あと何分でやめるか時間を提示させる)』『これらが守れない場合はルールが厳しくなる』で運用中です」(30代母親 / 年長男子 / 千葉県)
「平日30分、休日2時間(2時間は長すぎでしょ、、、と思いながら結果そうなってる)。ただし宿題や明日の準備、お手伝いなど、やるべきことを全部やってから。自分でやめられるようにしてほしいが、熱中してしまうので非常に困る。度が過ぎると取り上げたりもするが、決められた時間で最大限楽しむ!と頭を働かせてほしいところ」(40代父親 / 2年生男子 / 東京都)
「30分を目安とし、ゲーム途中の場合、区切りの良いタイミングでやめるように促します。また、ゲーム機ではなくリビングのテレビでプレイするようにし、親が時間の把握ができるようにしています」(30代母親 / 1年生女子 / 東京都)
「低学年のうちは『1時間』。2年生からは学童から1人で帰宅して親が仕事から帰るまで1時間ほど留守番してもらっていたので、その時間にゲームをしていいルールにして、本人の寂しさを紛らわせる手段として使っていました」(30代母親 / 6年生女子 / 東京都)
「時間制限はとくに設けていません。やるべきことをやっていれば、ゲームでもマンガでもYouTubeでも外で遊ぶでも、余暇は好きにすればよいという考えです」(40代母親 / 年長女子 / 千葉県)