連日暑さが身にこたえる猛暑の夏も、涼しげな見た目やさっぱりとした味わいの和菓子で気分一新、リフレッシュしませんか。今回は、透明感にあふれる美しい和菓子を6つご紹介。暑さを忘れさせてくれるような澄んだ色合いや、夏にこそうれしいみずみずしい質感を堪能しましょう。
富山「薄氷本舗 五郎丸屋」
ガラス作品を忠実に模した「きせつのさがしもの」
キラキラと光を反射する、色とりどりのガラスの玉のようなお菓子。実はこちら、実在するガラス作品を琥珀糖で再現したもの。富山で250年以上続く和菓子店「薄氷本舗(うすごおりほんぽ) 五郎丸屋」の16代目・渡邉克明さんが、硝子造形作家・山本真衣さんの作品をそのまま美しい和菓子に変身させたのです。
透き通った色合いは、左端のオレンジがかった色が「ミッドナイト」から、淡い紫色は「ジュピター」からというように、それぞれ異なるカクテルでつけられています。この透明度は、砂糖の再結晶化により、少しずつ失われていくのがガラスと違う特徴。その色の移ろいにも、趣きが感じられます。
薄氷本舗
きせつのさがしもの(夏色)
9個(木箱入) 3,780円(税込)
※オンラインショップにて、毎週金曜8時より数量限定で販売(店頭販売なし)
京都「御菓子丸」
自然の恵みを結晶化させたような「鉱物の実」
摘み取ったばかりのみずみずしい果実のような「鉱物の実」。京都を拠点に和菓子を作り、
不定期で喫茶室イベントを開催している杉山早陽子(さよこ)さんが手がけるお菓子屋さん「御菓子丸(おかしまる)」の定番の一品です。
レモンの果実を使った琥珀糖に、クロモジの枝を刺したもの。実際にありそうな木の実のようでいて、どこか幻想的で儚げ。季節の果実を結晶化するイメージで作られていて、まさに自然の恵みが結晶になったような繊細さを感じさせるお菓子です。
御菓子丸
鉱物の実
9個入り 2,300円(税込)
新潟「髙橋孫左衛門商店」
水飴と寒天でできた、水の玉のような「瑠璃飴」
触れた瞬間、割れて水がはじけ飛ぶのでは?と思わされるようなピンク色と透明の玉。寛永元(1624)年から新潟県上越市で飴を作り続け、十返舎一九や夏目漱石の作品にもお店やお菓子が登場している「髙橋孫左衛門商店(たかはしまござえもんしょうてん)」の「瑠璃飴」です。
水飴に寒天を加えて香りづけをした、もっちりとした食感のお菓子。夏には冷蔵庫や冷凍庫で冷やして食べるのもおすすめとのことなので、お好みの食べ方を探してみてはいかがでしょうか。
髙橋孫左衛門商店
瑠璃飴
15個入り 1,836円(税込)
京都「紫野和久傳」
ほのかに林檎が香る。みずみずしい「ささのか菓子 希水」
笹の葉をほどくと現れる、ぷるんとしたみずみすしいお菓子。明治3(1870)年に京丹後で料理旅館として始まり、後に京都・高台寺に料亭「高台寺和久傳」を開店。その味をおもたせに仕立てる「紫野和久傳(むらさきのわくでん)」の夏季限定品「ささのか菓子 希水」です。
笹とオオバコを主に使い、かすかに林檎の香りをつけた料亭の生菓子。希水という名前は、日本最古の物語「竹取物語」に描かれている、竹の節にごく稀に生じるとされる水に由来するそう。それは竹取の翁も探し求めた「不老長寿」の妙薬であり、このお菓子にも無病息災の願いが込められています。縁起が良く、どこか神秘的でもある、特別なお菓子です。
紫野和久傳
ささのか菓子 希水
【紙箱】5本入 2,106円(税込)~
【竹籠】8本入 4,104円(税込)
※8月下旬までの夏季限定品
京都「白」
澄んだ川の流れのような涼しさを運ぶ「田舟」
水草や小石がゆらめく、川の清流を眺めているかのようなお菓子。京都・祇園四条駅のほど近く、初音小路にひっそりと佇む和菓子店「白(HAKU)」の期間限定品「田舟」です。
つるんとした食感の葛と寒天の中に、大納言や白小豆、青えんどう豆を浮かべてあります。見た目もさることながら、冷やして食べることで、さらに涼しさが感じられる一品。桐箱に入った様も上品で特別感があります。
今回ご紹介するお菓子のなかで唯一オンライン販売がないものですが、わざわざ足を運んでも手にしたくなるお菓子です。
白
田舟
5個入 2,000円(税込)
※夏季限定品
※電話またはオンラインにて店頭受け取りの予約が可能(オンライン予約の場合は3日前まで受付け)