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味や形が変わるのは当たり前。自然のリアルを毎年届けるカゴメの「農園応援」

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福島県桑折町とは「福島あかつき桃ジュース」の販売を通して就農支援でも連携している
写真提供:カゴメ株式会社

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また「北海道余市トマトジュース」はカゴメが開発した希少品種のトマトを搾ったジュースで、北海道余市町の水尻農園が契約栽培しています。水尻農園では障害のある人たちの就労機会をつくる「農福連携」の取り組みを進めており、機械で収穫できないデリケートな品種と手作業のニーズがマッチしたことで、年間約200人の雇用が生まれています。

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「農福連携」に取り組む水尻農園の水尻宏明さん(右手前)
写真提供:カゴメ株式会社

それぞれの農家と信頼関係を築くために満岡さんたちは現地に何度も足を運びますが、実際に収穫できる農作物はいずれも希少なため、1年のうちわずかな期間に数量限定でしか販売できません。

大量生産や利益追求のビジネスモデルとは対極にあり、カゴメにとっても「種まき」のようなこの取り組みを続ける理由を、健康直送事業部課長の西崎達人さんはこう説明します。

「もともとカゴメは『農』から始まった会社で、『畑は第一の工場』を理念としてきました。ジュースなどの加工品をつくれるのは、農家さんがいるからこそ。農家さんや産地に恩返しをしたい思いがあります」

「恩返しとしてできることの一つは、カゴメの情報発信力を使って、農家さんと生活者の距離を近づけること。うまくいったことを伝えることも大事ですが、自然を相手にしているのでうまくいかないこともあります。『農のリアル』を伝えることも使命だと考えています」

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健康直送事業部課長の西崎達人さん
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

「今年の味、点数は?」

『農のリアル』を伝えるとはーー?「農園応援」の青果を注文すると、「今年のお味はいかがでしたか?」という質問形式で「甘み」「香り」「食感」を5段階で評価するシートが同梱されています。

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Akiko Kobayashi / OTEMOTO

天候などによって味や形が変わるのは、自然の恵みである農作物にとっては当たり前。

「カゴメ健康直送便」のサイトを運営し、デジタルのコミュニケーション領域を担当している阿部清美さんはこう話します。

「『農園応援』は、毎年心待ちにしているリピーターの方も多いです。お客様が『味の記録』をつけることで、おいしさだけでなく『揺れ』があることにも気づいてほしいという意図をこめてます」

また、消費者からのフィードバックを生産者に伝えることも、「農園応援」の大きな要素になっているといいます。

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「瀬戸田潮風しらぬい」をつくる向井さんに寄せられたメッセージ。生産者の顔が見え、消費者の声が聞こえる
写真提供:カゴメ株式会社

満岡さんは「農園応援」の担当になってから、雨が降れば「実割れしないだろうか」、猛暑が続くと「早く熟れすぎないか」などと、畑の様子に思いをめぐらせるようになったといいます。

「農園に足を運ぶことで私自身が気づけたものづくりの価値を、農家の人たちに還元していきたい。より大きな規模で盛り上げていけるよう、応援を続けていきます」

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