isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2025年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いのちのざわつき
今週のおひつじ座は、揺るぎない情熱の意義と特性とを改めてつかみ直していこうとするような星回り。
動物への哲学的分析を重ねてきた思想家ジャン=クリストフ・バイイは、ニューギニアとオーストラリア北部のコヤツクリ科の鳥のオスが、周辺のくずを拾い集めてほとんど芸術的なまでの小さな箱庭を作ってメスを誘惑する習性を、『思考する動物たち』で取りあげています。
コヤツクリ科の鳥のオスにとって、求愛行動は単なる美しい儀式などではなく、いつでも不意に何か不測の緊急事態が現われ得る、果てしない悩みの種であるかも知れず、潜在するリスクの海の中でたまたま何事もなく表出したものが、「はかない刺繍」のように人間側に見えているに過ぎないのだと考えられるだろうと。
そんな定型から外れた動きとたえざる問いかけとを、自身の生活に取り戻していきたいところです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
意味と蜜をあつめて
今週のおうし座は、下手にジタバタせずに、今すべきことに集中していこうとするような星回り。
『時ものを解決するや春を待つ』(高浜虚子)という句のごとし。
暦の上では「立春」になって春になってもまだまだ空気は冷たく厳しく、心躍るような新たな展開の兆しなどほとんど感じられないかもしれない。しかし、焦らずとも問題は時間が解決してくれる、すべきことは雪が解ける春を待つだけであり、水になってどこかへ流れていくその時には、すでに春なのだ。作者はそう言っているのでしょう。
あなたもまた、そんなことをひとつ頭に置きながら過ごしてみてはいかがでしょうか。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
私はタコになりたい
今週のふたご座は、世間的には無意味に感じられるようなことにこそストイックに傾倒していこうとするような星回り。
種村季弘の書きものに「文学的変装術」と銘打ったエッセイがあり、そこでは例えば、岡本かの子の未発表の短編小説集が発見されたと称して、まったくの贋物をでっちあげるといった例が挙げられています。
もちろん、贋物とはいえ文体や表現上の癖などは本物と見まがうほどそっくりに再現し、作品の質も彼女の傑作に匹敵するものを作りあげ、一泡吹かせてみせる訳ですが、あくまで無償の知的喜びにひたる一種の愉快犯として、文学的変装術を説明しているのです。
あなたもまた、何か具体的なものを得るための手段だったものを、それ自体が目的となるような「遊戯的倒錯」に向けてひた走っていくようなところが出てくるでしょう。