(c)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
──中也を演じた木戸大聖さん、泰子を演じた広瀬すずさんとの共演はいかがでしたか?
彼らは役として本当にしょっちゅうケンカをしていたので、そのエネルギーが30代の僕からすると考えられなくて。2人からは撮影終わりに「親戚のおじさんがすごく優しそうに見ていた」と言われました(笑)。
若さゆえの愛の暴力というか、ケンカをしながら愛の交歓をしている2人を見て「とことんやりなさい」と思う自分もいましたし、小林さんの視点と重なって、その間に入れない嫉妬を感じてしまう自分もいた。撮影中はいろんな感情が渦巻きました。
──木戸さんとはプライベートでも仲良くなられたとか?
撮影中は木戸くんが日に日に中原中也にしか見えなくなっていったんです。これまで僕はあまり年下の方々との交流がなかったのですが、今回がっつり共演させていただいたことで、俳優としての姿勢や役への入り込み方、現場に振り落とされないよう必死にしがみつく姿を見て好きになってしまって。
撮影後に何度かごはんに行く機会があり、連絡も密にとるようになりました。彼のことは本当に尊敬していますし、素敵な俳優だと思っています。
──岡田さんは人間関係を築くうえで、どんなことを心がけていますか?
家族や友人、マネージャーに対しても嘘なくつきあっていきたいですし、誠実であることは常に心がけています。
──その考えは、年齢を重ねることで変化していきましたか?
10代のときなんてまったく意識していなかったと思います。それこそ「関係性が切れたら切れたでいいや」と思っていたところもありました。
一方で、一緒にいると自分らしくいられない人との関係からはあえて距離を取ることが、結果的に自分を守ることだと気づく瞬間があったり。
コロナ禍以降は特に、大切だと思う人とはより誠実に、丁寧につきあっていこうと考えるようになりました。
岡田さんのプライベートの過ごし方は?
日課のストレッチをすることで、心も身体も伸びていく
──お忙しい毎日の中で、メンタルの健康を維持するために実践していることはありますか?
ここ最近は寝る前に30〜40分くらいかけてストレッチをするようになりました。そうすると心も体も整ってよく眠れますし、朝起きた時の身体の軽さも全然違うんです。
テレビでニュースを見たり、台本を覚えたりしながら本当にゆっくりと、ちょっとずつ体を伸ばしています。
今ではそれがすごく大事な癒しの時間になっているし、メンタル的にもバランスが整った感じ。さらに寝具にこだわるようになったら、僕、ものすごくハイテンションになるかもしれないです(笑)。
──岡田さんはすごく繊細な方というイメージがありました。
基本的にその性格は変わらないんです(笑)。ただ、ストレッチはその日あった出来事を整理する時間にもなっていて。
「今日、なんであんな言葉をかけてしまったんだろう」と考え出すとキリがないですが、ストレッチをしているとそんな心も伸びていく感じ。「まあいっか、明日取り戻そう」と思えるんです。
──すごくいい習慣ですね。ストレッチ以外のリフレッシュ方法は?
以前は休日でもずっと台本を読んでいたので、もう「つらい!」ってなってしまって。去年は特に「仕事は仕事、休みは休み」と切り替えることを心がけていました。今は「今日はオフだから台本は読まない」と決めて手放して、一度仕事のことを忘れられるようになったと思います。
あとは美味しいごはんを食べること。お魚が好きなので、新鮮なお魚を買ってきてお醤油で食べたり、塩だけで食べたり、昆布締めやオリーブオイルで食べたり、いろんな食べ方を楽しんでいます。料理をすることが好きなんです。
早い時間からごはんを食べるときはお酒も一緒に楽しんだりします。仕事を忘れて頭を空っぽにできる時間がリフレッシュになっているし、メンタルの安定にもつながっていると思います。