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[仲間由紀恵インタビュー]故郷・沖縄で撮影して感じた地元の良さとは?映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』

ドラマ『トリック』シリーズをはじめ、数々の作品でタッグを組んできた堤幸彦監督と仲間由紀恵さんの10年ぶりのタッグとなる映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』が3月14日(金)に全国公開。主演を務めた仲間由紀恵さんに、自身と同じふたりの子どもを育てる母役を演じて感じたこと、そして、20代~30代の頃と今とで変わった役作りや役への向き合い方、仕事に対する価値観の変化について聞きました。

取材・文:瑞姫
撮影:稲垣佑季
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部
スタイリスト:十川ヒロコ(THIS)
ヘアメイク:杉田和人(POOL)

ドラマ『トリック』シリーズをはじめ、『天空の蜂』、舞台「テンペスト」など、数々の作品でタッグを組んできた堤幸彦監督と仲間由紀恵の10年ぶりのタッグとなる映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』が3月14日(金)に全国公開されます。

本作は、ダンスに情熱を燃やす少年と家族の絆を描いた感動のダンスストーリー。故郷である沖縄が舞台のこの作品で、仲間さんはホテルの清掃とスナックの仕事を掛け持ちしながら、不器用ながらもふたりの子どもを明るく育てるシングルマザーの朱音役を演じています。

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プライベートでも二児の母であり、今年、30周年を迎える仲間さん。これまで数々の役を演じてきた仲間さんが、故郷の沖縄で自身と同じふたりの子どもを育てる母役を演じて感じたこと……。そして、20代~30代の頃と今とで変わった役作りや役への向き合い方、仕事に対する価値観の変化について聞きました。

故郷・沖縄で、同じ二児の母を演じる

――今回は故郷である沖縄での撮影でしたが、普段東京で生活されていて、沖縄に住んでる人としての役を演じることへの思いを教えてください。

やっぱり、自分が生まれ育った街、地元を舞台にした物語のお仕事ができること、それに参加できるっていうこと自体がすごくうれしいですし、ありがたいですね。ちょっと不器用でガサツな部分があったり、母親としてまだまだ未熟な面がある朱音役を、地元である沖縄の空気感の中で演じられるのはすごく良いなと思いました。

東京で同じ役を演じるのとはまた違うだろうなと感じていたので、すごく愛着しかないって感じがします。

――特にどういった部分が沖縄ならではの空気感だと思いますか?

やっぱり、島のおおらかな部分ですね。朱音は生活が苦しくて仕事も掛け持ちで……みたいなところもあるんですけど、どこかあっけらかんとした強さを持っている。

仕事中も、うつむいて仕事をしているのではなく、プレッシャーに追いやられてるっていう感じでもなく、“何とかなるかな”っていう島の人らしいおおらかさや明るさを持って、前向きに仕事をしている。そういう感じをすっと素直に演じることができたのかなと思います。

――なるほど。演じる上で苦労したところはありましたか?

監督が最初「あまり自分が見たことない仲間さんが演じる母親像をお願いしたい」とのことだったので、苦しい生活の中で、気持ちもいっぱいいっぱいで、自分のことには手が回ってないところや貧しさを表現するために、服は2〜3着を着回しをしていこうとか、髪の毛も自分で染めたような色だったり、ネイルも監督が「ちょっと伸びてるみたいな感じがいい」みたいな……。

今までそこまで細かい役作りをやったことがなかったので、どうやって生活感があるように見せていこうかなっていうのは、今回はよく考えたなと思います。

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――同じ二人の子どもを育てる母である朱音役を演じてみて、改めて感じたことはありますか?

朱音の役をやっていてすごく幸せだなと思ったのが、映画の後半に大失敗を犯した朱音が、息子・踊(よう)に自分の気持ちを不器用ながらも伝える大事なシーン。

朱音はどん底の気持ちの中、「こんな駄目な母親で本当にごめんね」「自分でももうわかんない」みたいなことを考えて吐露してる中でも、踊は真っ直ぐ前を向いていて諦めてないんですよね。その純粋で強い瞳を見たときに、すごくすてきだな、頼もしいなって思って、とても感動したんです。

朱音として感動したのか、私として感動したのか、ちょっとわからないんですが、すごく感動して。こういう瞬間に立ち会えるのって本当に幸せだなって感じましたね。

――子どもの成長に驚かされて、大人がハッとさせられることってありますよね。

そこから自分もパワーをもらうことができたし、それで朱音は気持ちを切り替えて、母親として一歩上に抜けることができた瞬間だったなと感じました。

子どもたちの純粋さや、前を向く直向きさには、役と離れた普段の自分の生活の中でもハッとさせられることってあるので、子どもの可能性はすばらしいなと。

10年ぶりのタッグで感じた揺るぎないものと変化

――本作品は堤幸彦氏との10年ぶりの作品ですね。撮影現場の雰囲気はどうでしたか。

懐かしいなと思いましたね。堤監督は「欲しい画はこう」とか「撮りたいものがこう」とか、自分のやりたいことをスタッフさんにきちんと伝達するのがすごく上手くて、的確な指示を皆さんにパパッとできる方なんです。ただ、ちょっとテンポが速いので皆ワーッて慌てちゃったりもするんですけど……(笑)。

その感覚やテンポの良さ、明るさによって、現場の人たちが何でも言い合えるような雰囲気の楽しい現場になるんですよね。

――なるほど。良い空気感で撮影ができたんですね。

あと、今回は“オール沖縄でいきたい”という強い意志があって、全てではないんですけど、ほとんどの役者さんが沖縄の人や沖縄に住んでいらっしゃる人で、スタッフさんもほとんどが沖縄の方なんです。

東京から何名か行ってますが、でもほぼ沖縄のキャストさんとスタッフさん。堤監督が作るテンポの良さと、そもそもの沖縄の人たちの明るさが合わさって、みんなが元気良く明るく、分からないこともすぐ監督に聞くことができる環境になってました。

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