今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
のびのび良寛
今週のかに座は、論文は古びるが詩はまったく色褪せないということを身をもって知っていこうとするような星回り。
良寛ほど日本の知識人や作家、詩人や歌人から慕われている人はいないのではないかと思いますし、ほとんど20世紀くらいまではほとんど崇拝に近いような信奉のされぶりでした。
良寛によると、ただひたすらに永遠なるものに触れる生々しい体験(大抵それはスピード感を持って生きている世の人がわざわざ立ち止まらないようなことであったりする)に目を向け、そこに遊んでいなさい。そうして初めて「従前の非」、すなわち素直になれなかった自分を認められるようになっていくよ、とのこと。
あなたもまた、仕事や忙しさを言い訳にしないで、そんなmeditationな遊びをこそかましていくべし。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
(特になし)
今週のしし座は、気合いを入れて「何もしない」を実践していこうとするような星回り。
『春の日を一杯に浴び画もかかず』(小川芋銭)という句のごとし。
世の日本人のほとんどは根が真面目というか、執着気質なところがありますから、3日も仕事をしないでいると解放感より不安が勝ってきてしまって、真剣な遊びにも身が入らなくなってしまう。作者の日向ぼっこには、そういうたぐいの不安だとか、世間の目を気にする素振りが綺麗に抜け落ちていて、そこに天真さがあり、尊い光がある。
あなたもまた、そんな作者にあやかってできるだけ純粋に楽しみを追っていくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
陰謀論者を信じられるか?
今週のおとめ座は、誰か何かを「信じたい」という気持ちを適切に管理運営していこうとしていくような星回り。
最近では政治家の中にも、ディープステートという影の勢力が世界を操っているという陰謀論を信じる議員がいたり、そういう議員が落選することなく一定の支持を集めている現況を考えると、今後ますます陰謀論は拡大していくものと考えるのは自然かもしれません。
ところが、最近の陰謀論というのはどこか背後の主体や真実について、人工的に地震を起こす兵器やゴムのマスクをかぶったゴム人間だとか、妙に科学的ないし世俗的に語られることが増えて、目に見えないし私たちには認識できないような神や霊の働きなどを排除せんとする傾向が強まっているように思います(だからこそ受容が広まっている)。
あなたもまた、自身や周りのどこかバグった側面やヤバい部分にできるだけニュートラルな態度で接しつつ、観察や観測を続けていきたいところです。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
別途の実感
今週のおとめ座は、うっすら抱いていた思いや実感と、ふとしたきっかけで出会い直していくような星回り。
『木蓮は開ききつたり犬を抱く』(田中裕明)という句のごとし。
ふさふさの体毛がぬくもりをもたらし、顔をその中にうずめると、かすかに日なたの匂いのする。おのずと白い体毛の大型犬のイメージが浮かんでくる。何となく頭の中に浮かんでくるイメージこそが、作者にとって待ち望んできた春の実体であり、それは「木蓮」から「犬」へという飛躍を通じて、作者だけのものとなってほんのり現実味を深めていく。
あなたもまた、そうした「感覚の多角化」ということがテーマとなっていきそうです。