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グリーンプランナー森田紗都姫さんに聞く!初心者が観葉植物と付き合う上で本質的に大切なこととは?

新生活がはじまってしばらくたった今、部屋を整え、暮らしを整えている方も多いのでは?中でも、お部屋に観葉植物を飾ると、心に癒しを与え暮らしを豊かにしてくれるかもしれません。植物には、人をリラックスさせる効果があると分かっているのです。今回は、グリーンプランナーの森田紗都姫さんに、初心者の方でも失敗しない観葉植物との付き合い方について教えていただきました。

植物に囲まれると得られる効果とは?

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Photo by Alesia Kazantceva on Unsplash

– まず最初に、植物のある暮らしにはどんな効果があるのか教えて下さい!

森田さん: エビデンスが出ていることで言うと、植物が発するフィトンチッドという香り成分にはリラックス効果があるということが分かっています。植物の量によって効果は左右されますが、この成分を吸入することで人の自律神経に働きかけ、リラックス効果をもたらすとされています。

– 確かに、ちょっとストレスを感じたり疲れたりすると自然に触れ合いたいと思うことがあります。本能的に自然のリラックス効果を欲しているのでしょうか。

森田さん: そうかもしれないですね。また、植物があると空間の付加価値が高まるということもメリットとして挙げられます。植物を鑑賞する分にもそうですし、素敵な空間にいると気持ちが上がったり、居心地の良さを感じてその付加価値を感じることもあると思います。その他にも、仕事や作業の効率や生産性を上げるというエビデンスも出ています。

– 観葉植物がたくさん置かれたオフィスも多いですよね。

森田さん: そうですね。また、もしお子さんがいらっしゃるご家庭で都心にお住まいの方は、ぜひ植物をご家庭に取り入れてほしいです。都心ですと土に触れる機会もそこまでないのではないでしょうか。けれどご自宅に植物があると土に触れることができます。また、虫や鳥がベランダに遊びに来るということもありますので、情操教育の一環にもなります。もしご自宅にベランダがあれば、ハーブや果樹を育てて生活が豊かになっていくこともメリットかなと思います。

初心者におすすめな植物

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Photo by feey on Unsplash

– 植物のある暮らしに憧れはあるけれど、お部屋にどんな植物を取り入れていけばいいのか手探り状態の初心者の方に、おすすめの植物はありますか?

森田さん: 忙しさやご自宅の環境、あるいは観葉植物を置く目的など、その方のライフスタイル、あるいは性格によっても相性があるのですが、「パキラ」は育てやすいと思います。おすすめできる理由として、パキラは人にもペットにも毒性がなく安心して飾れる観葉植物とされています。実は多くの観葉植物には、毒があるんです。ご自宅でペットを飼われてる方などは特に注意が必要です。犬や猫が葉や幹を食べて、吐いてしまったりということも結構あるので。また、パキラは乾燥にも強く、一度水を切らしてしまっても、復活しやすいので、初心者の方におすすめです。

– 観葉植物に毒があるのは知らなかったです。

森田さん: そうなんですよ。安全とされているもので言うと「エバーフレッシュ」もおすすめです。観葉植物は熱帯の植物なので、濃い緑色で葉っぱが大きいものが多いのですが、エバーフレッシュは葉っぱが細かく光を通すような木漏れ日感が感じられるのが魅力です。ただし、注意点はお水が大好きなこと。夏場は、水を切らしてしまうと一気に弱ってしまったり病気になってしまうことがあります。そのため、水やりをこまめにできる方でしたら、良いと思います。

– お家の中にいても、木漏れ日感を感じられるのはいいですよね。

森田さん: そうですよね。また「アムステルダムキング」という植物も初心者の方でも育てやすいと思います。これはゴムの木の仲間で、幹がグネグネ曲がっていたり、シャープな葉がついていてかっこよく、雰囲気の出る観葉植物です。虫もつきにくく、水やりも楽で管理がしやすいので、初心者の方にもおすすめだと園芸店でもおすすめされることが多いです。

– 北向きのお部屋で日が入らないお部屋でも、この3つは育てることはできますか?

森田さん: エバーフレッシュは明るく風通しが良いところがおすすめすが、他の2種は時々光や風に当ててもらえれば大丈夫だと思います。あるいは、モンステラやセローム、あとはポトスといったサトイモ科の植物もおすすめです。サトイモ科の植物は陰に強いので、日が入らないお部屋でも育ちます。

観葉植物を1年中元気に育てるコツ

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Photo by vadim kaipov on Unsplash

– ここ最近は気候が不安定だったりもしますが、観葉植物も影響されやすいですか?

森田さん: 空調が安定していて室内の温度が安定している場合は、観葉植物はあまり影響を受けることはありません。一方で、冷暖房をつけず、また外の室温が影響出やすい窓際に置いてある植物は、 気温差に影響を受けやすいことがあります。やはり暖かい地域の植物ですので、寒さには弱いんです。ですので、今年のように、春がきたかと思えば、急に冬に戻ったりという天候の下では影響の受けやすさを感じることが多いかもしれません。寒い時期というのは、植物にとって休眠時期なんです。そのため、春になってから水やりを一生懸命やっている中で急に寒くなると、根腐れを起こしてしまうことがあるんです。

– 寒い時期はたくさん水分をとって成長するというよりも、お休みしたいわけですね。観葉植物は、日光に当てることが大切だと思っていたので窓際に置くのは良いというイメージでした。

森田さん: 観葉植物には光が入るということもとても重要なのですが、それよりも重要なのが気温なんです。観葉植物の適温は15℃から40℃と言われています。窓際は外が寒いと冷気が入りやすい場所なので、注意が必要です。私たちも、寒い日に窓際にずっといたら体が冷えてしまうじゃないですか。ですので、植物も外気温によって移動させてあげないと調子が悪くなってしまうんです。

– 冬場になると植物が枯れてしまうということもあると思うのですが、1年中元気に植物を育てるコツはありますか?

森田さん: 観葉植物は暖かいエリアが原産国の植物になるので、秋が一番枯れやすいんです。その時期は水やりの頻度を変えるタイミングになるので、だいたいそれまでの半分以下を目安にしていただくのがいいです。人間も、寒くなると「ちょっと動きたくない」とか 「冬の間は寒いのでじっと過ごして、春にどんなことしようかな」と考えることがあるのではないでしょうか? 植物も同じで、冬の間は休憩してる期間なので、きちんと土が乾いたかを確認して水やりをするのが良いと思います。

– 確かに人間もお腹が空いていないのに、無理に食べようとすると体調を崩してしまいますもんね。

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