「片付け」を通して9割のものを手放し、本質的に豊かな暮らしを手に入れた、禅的シンプリストのminiさん。今回はminiさんの考え方が変わるきっかけとなった禅の思想について、書籍『9割捨てたら叶った。好きなものだけに囲まれるシンプルな暮らし』から抜粋してご紹介します。
「手放すこと」で心の余白が生まれる
「たくさんのものに囲まれているのに、心は満たされない」ーーそんな風に感じたことはありませんか?
かつての私は、流行や見栄で増えてしまったものに囲まれ、息苦しさを感じていました。満たされない心を埋めるようにものを買い足しても、本当の豊かさは得られませんでした。むしろ、どんどんものが増えていく部屋とは裏腹に、心は何かを失い続けているようでした。
そんな中で出合ったのが禅の思想――「足るを知る」という考え方。
少なさの中にこそ、本当に好きなものが見えてきて、初めて心が満たされたのです。ものは空間を埋めても、心を満たしてはくれません。手放すことによって、初めて心に余白が生まれるのです。私は片付けを通して、本当の豊かさとは、持つことではなく、手放すことだと知りました。
「引き算」の思考が人生を豊かにする
「知足(ちそく)」という禅の言葉があります。これは、自分の分をわきまえ、それ以上を求めずに満足することを意味します。「足りないものを探す」のではなく、「いまあるものに感謝して生きる」。そんな生き方の中にこそ、本当の豊かさがあるのだと教えてくれる言葉です。
禅の思考は常に「引き算」です。「満たされないから足す」のではなく「満たされるために手放す」。不要なものをそぎ落としていくことで、大切なものが浮かび上がり、暮らしも心も満たされる、と考えます。
例えば、掃除が大変だからとお掃除ロボットを買う、家計が苦しいからと副業を増やすなど、課題に直面したときは「足して」解決しようとするのが一般的かもしれません。
けれど、掃除が大変なら家具を減らす、家計が苦しいなら住まいを小さくする、というふうに、発想を切り替えることで解決策が見えてくるのです。
人生は「引く」ことで満たされる
私が暮らしをシンプルに整えるようになってから気づいたのは、足すことで得られる安心より、引くことで得られる自由のほうが、ずっと心を満たしてくれるということ。
そしてそれは、暮らしだけではなく、生き方そのものにも通じると実感しています。
続きは『9割捨てたら叶った。好きなものだけに囲まれるシンプルな暮らし』で
「引き算の思考」に出合った結果、miniさんの人生がどのように変わったのか。書籍『9割捨てたら叶った。好きなものだけに囲まれるシンプルな暮らし』では、miniさんの思考の変遷や、手放したことで得たものなどを詳しく綴っています。
『9割捨てたら叶った。好きなものだけに囲まれるシンプルな暮らし』
著・禅的シンプリスト mini
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