今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
控えておくセンス
今週のさそり座は、物事の終わらせ方を感覚的に取り戻していくための備えをしていくような星回り。
気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルと中国哲学を専門とする中島隆博による対談を書籍化した『全体主義の克服』(2020)では、「無」という東洋的な概念について、中島が言及しています。
「無」とは、物と無とを分ける二元論ではなくて、物以前に働くものであり、中島はそれを王弼にならって「一種の取り消された働き」とか「何らかの操作の取り消し」と呼んでいますが、これこそ今の日本政府に必要な発想でしょう。つまり、無の中にきちんと根を下ろしているから、物事の終わらせ方が感覚的に分からなくなってしまったのではないか、と。
あなたに関しては、どうしたら近代合理主義やそれを基礎づけているニュートン・カント的パラダイムを超えた発想を取り入れられるかが、鍵になっていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
成り行きの果てへ
今週のいて座は、単なる観念を超えた人と人の交わりの実相に分け入っていこうとするような星回り。
『恋を得て蛍は草に沈みけり』(鈴木真砂女)という句のごとし。
掲句は恋の一瞬の熱が冷めたあとの女性の身と心に起きた真実について、作者なりの真実を詠みこんだ極めて赤裸々で、詩的で、容赦のない一句なのだと言えます。
あなたもまた、そんな作者の姿勢を自身の人間関係にも持ち込んでみるといいかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
株式会社ありがとう
今週のやぎ座は、誰かを愛するための自律性を宇宙に求めていこうとするような星回り。
「愛し得ないがゆえに、日輪と共に始めよ」というロレンスのメッセージのごとし。
いつの時代も人間は他者や何らかの共同体との結びつきを求め、その成果として近代文明を築くにいたった訳ですが、近代文明が人間生活にもたらす悪影響を一貫して主題として扱ってきたD・H・ロレンスはそうした近代社会的な精神の在り様を厳しく批判しています。
あなたもまた、ロレンスが訴えたように、個人主義とともに人間の勝手を捨て、コスモスの一部としてあるべく「まず日輪と共に始めよ」という言葉に従ってみるといいでしょう。