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誰からも愛されなくても。馬場ふみかが大切にする「自分の人生を幸せに生きるコツ」

他人に言われて嫌だなって思うことも、すごくいっぱいあるんですけど、その“嫌だな”をイライラで終わらすのって、時間がもったいない。それを回避する意味でも、人は人だなって良い意味での諦めを持つ。他人に興味を向けないっていうネガティブな意味ではなく、そういう人もいるんだと思った方が楽です」

そうは言いつつも「どうしても(他人に目が)向くんですよね〜!」と同じように悩む人に共感を寄せてくれた馬場さん。「嫌なことがあった時は紙に書いていたりします。誰に見せるわけでもなく、ただ自分の気持ちを書いてスッキリさせるんですけど。だいたい嫌なこと言ってくる人って、相手は忘れてしまうんですよね。でも私は“一生忘れてやんねえからな!”って気持ちで書いて発散しています(笑)」と軽やかに笑う人間らしい一面も見せてくれた。

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また、そういう時にどのようにして気持ちを切り替えているのかを聞くと、「好きなもの食べて、寝る。こういう時ぐらいはいいだろうって、普段我慢しているカップラーメンを食べる……とか。そういう日々を積み重ねることで、気づいたら他のことに目が向く。生きているといろいろなことが起こるので、自分のネガティブだけにフォーカスせず、自分を甘やかしたり、外に出て働いたり、いろんな人に関わっていくと人生がなだらかになる気がします」と教えてくれた。

不幸や幸せの大きさを他者と比較しないこと、不幸を安心材料にして依存してしまわないこと、他者からの施しによる幸せにフォーカスしないこと、そして、絶望しないこと。大なり小なり人それぞれに幸せも不幸も降り注ぐのが人生なのであれば、できるだけ幸せな方に目を向けて生きることが、自分自身の人生を幸せに生きるコツなのだろうと、この作品を通し、雅という役を演じ切った馬場さんの言葉から改めて感じた。

家族であっても、友達であっても、恋人であっても、愛が呪いになるのであれば、そこからは逃げて良い。たとえ愛されなくても、自分を愛して生きていける。「愛されなくても別に」と言える強さは、決して冷たさじゃない。自分を大切にするための、優しさなのかもしれない。

『愛されなくても別に』

宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。

大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも……。

いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な髪色、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。

「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」

他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていく――。

7月4日全国公開

監督:井樫彩 原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩/イ・ナウォン
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

※この記事は2025年07月04日に公開されたものです

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