isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2025年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
足裏と風通し
今週のおひつじ座は、捨てることによって得られる安寧を手にしていこうとするような星回り。
『五千冊売つて涼しき書斎かな』(長谷川櫂)という句のごとし。
五千冊という数字は、過剰さのはるか先にある執着の象徴でもあり、知識欲や所有欲、記憶、過去、名誉などが詰まった自分自身そのものであり、それをあえて手放すことは、自我の一部が剥離するようなもの。そこに吹き込んできたのは、さぞかし「涼しき」精神の風だったのでしょう。
あなたもまた、単なる断捨離ではない、すすんで自己の一部を手放したものだけに訪れる「空白」と豊かさということがテーマなっていきそうです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
反芻(はんすう)反芻また反芻
今週のおうし座は、みずからの経験や体験をできるだけ客観的なデータベースに変換していこうとするような星回り。
囲碁や将棋の対局を記録したものが棋譜であり、これを見ていけば対戦の模様をそのまま再現することできるというものですが、精神科医の中井久夫の「医学の修練について―雑記帳より」という文章の中に、次のような一節があります。
「一つひとつの治療―つまり症例とのかかわり―は碁や将棋でいえば一つひとつの棋譜のようなものである。これらについて少しでも知っている人なら認めていただけるように、碁や将棋の棋譜は簡単な法則に還元できない。定石というものはあるが、それでやっていけるのはほんの序の口である。精神科医だから特に感じるのかも知れないが、臨床医は、あるところから先は「棋譜」をベースにして仕事をしてゆくのではなかろうか。」(『「つながり」の精神病理』)
あなたもまた、自身の活動を支えていくために地味ではあるけれど必要不可欠な地固めに、改めて焦点を当ててみるといいでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
言葉ならぬ涼しさの方へ
今週のふたご座は、静かなる精神の避暑へとおもむいては、なめらかな融合を体験していこうとするような星回り。
『夏闌けて硯やすらふ水の中』(宇佐美魚目)という句のごとし。
これは単なる擬人化というより、人と道具と自然とのあいだに引かれた境界線が、示し合わせたように一斉にゆるんで水中で溶けあっているという、特異な感覚について言及しているのではないでしょうか。互いに独立しているように見えていたものが、一体化しているように感じられる体験に近いように思います。
あなたもまた、ごちゃごちゃとした粗雑な言葉はスルーして、ただ「エーテルの中にあるもの」としておのれを置いてみるといいでしょう。