今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
空気をきれいにするために
今週のさそり座は、心を曇らせる要因となるものを厳しく追及していこうとするような星回り。
いつしか現代人は、いつかやって来るであろう未来に「ユートピア」を思い描くことをしなくなった代わりに、実際には一度も経験したこともないような理想的な過去の残影=「レトロトピア」(バウマン)を夢見る傾向が強くなってきつつあるのかも知れません。
ここで思い出したいのは、「水俣病」という決定的な人災について、美しく豊かな故郷を奪われた地元の人たちの思いを方言混じりに綴った『苦海浄土―わが水俣病』で知られる作家の石牟礼道子にあてて、詩人で社会活動家の谷川雁がつづった言葉です。
あなたにとって、多くの人が見過ごしがちな論理の「暗点」や精神の「負性」に着目していく怜悧さは、大いに人生の指針になっていくはず。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
真に余裕のある者だけができる動き
今週のいて座は、「生きる技術」としての余裕をみずからにもたらしていこうとするような星回り。
『浮いているだけか泳ぎかよくわからぬ』(田中裕明)という句のごとし。
この句における「水」は、人生における時間の流れや抗いがたい現実のように思えてきます。私たちはときに必死に泳ぎ、ときに流されるままになりつつ、たいていは泳ぎと漂いのはざまで右往左往しているが、運よく自然のリズムに身を重ねられたとき、まるで水を得た魚のようになっていく。
あなたもまた、水とひとつになって境界のゆらぎのなかで世界に溶けていくような瞬間を迎えていくことができるかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
隷従の鎖を断つべし
今週のやぎ座は、思いきった逆張りをかましていこうとするような星回り。
石破日本がトランプアメリカとの対立を深め、いよいよのっぴきならない状況へと進もうとしている昨今、いわゆる「アメリカ精神」を改めて捉え直していくことは、国際関係だけでなく国内政治を冷静に見つめ直していく意味でもますます重要になってきているように思います。
そして、その上では19世紀初めに生まれ、勃興期のアメリカを代表する思想家であったエマーソンほど重要な人物はいないでしょう。特に「アメリカ精神」を体現しているとされる『自己信頼』などを見ていくと、その率直さや物言いのストレートさに多くの日本人はいまだ面食らうはず。
あなたもまた、本能的な恐怖を克服するためにも、これまで慣れ親しんできたものに何かしらサヨナラを告げてみるといいでしょう。