まだまだ蒸し暑い8月。エアコンや扇風機を活用しつつ、さらに部屋を涼しくしたいなら、観葉植物を取り入れてみませんか。植物には、見た目だけでなく、実際に室温を下げてくれる効果があるのだそう。今回はオンラインで観葉がある暮らしを提案するブランド「アンドプランツ」から、植物が部屋を涼しくしてくれる理由や、選び方のコツ、おすすめの植物を教えていただきました。
見た目だけではない。観葉植物の涼やかさの理由
青々とした葉がどこか涼しげで、夏もその場にあるだけで気持ちを和らげてくれる観葉植物。エアコンのように急激に気温を下げてくれるわけではありませんが「蒸散」や「光合成」の働きによって、実際に涼しさを届けてくれていると考えられます。
「蒸散」とは、植物が体内の水分を水蒸気として放出する仕組み。その水分が空気中で蒸発する気化熱により、周囲の空気が冷却され、打ち水のような効果が期待できます。
「光合成」では、植物が空気中の二酸化炭素を吸収。赤外線が当たると熱を持つ性質のある二酸化炭素を、植物が吸収することで温度の上昇が緩和されるのです。
涼しさを生み出す観葉植物選びのポイント
どんな植物にも蒸散や光合成の働きはありますが、とくに涼しい空間づくりを意識するなら、下記のようなものを選びましょう。
・枝葉が多い観葉植物
枝葉が多い観葉植物ほど、蒸散や光合成をよく行います。ただし枝葉が茂りすぎると、葉と葉が重なり合って光合成を阻害してしまうので、生育期の5~9月には剪定しましょう。
・多肉質な観葉植物
葉や枝などが多肉質な観葉植物は、植物体内に多くの水分を含むため、蒸散量が多くなります。水やりの頻度が少なくて済むので、育てやすいのも魅力です。
・枝葉のラインが細い観葉植物
細長い葉は、圧迫感がないだけではなく、さらさらと風に揺れます。その姿や音が、視覚的に涼を感じさせてくれます。
具体的にどんな植物がよいのか、アンドプランツのおすすめの5種類をご紹介します。
水分が多く蒸散が活発な「サンスベリア」
ジグザグの模様が入った鋭い葉が立ち上がる「サンスベリア」は、風水で幸運を引き寄せると人気の観葉植物。
葉に厚みがあり、乾燥に強いのが特徴です。多くの水分を葉に保っているため、蒸散による冷却効果が期待できます。水やりの頻度が少なくて済むので、初心者や忙しい方が取り入れやすいのもうれしいところ。
サンスベリアには複数の種類があり、とくに葉が細いファーンウッド・パンクやファーンウッド・ミカド、グラシリスなどは、見た目にも涼しげでおすすめだそう。
・適した置き場
直射日光を避けた日当たりのいい場所(室内)最低10℃以上をキープ
・水やりのタイミング
春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:葉の表面にしわが寄ってから(10月以降はほぼ断水)
※暑さに強い反面、寒さには弱いので、冬は暖かい室内で管理しましょう
根元や太い幹に水分をたっぷり蓄える「パキラ」
しっかりとした幹の上に、手のひらをイメージさせる大きな葉を広げる「パキラ」。金運を引き寄せるとされ、別名「Money Tree(発財樹)」とも呼ばれる植物です。
こちらも膨らんだ根元や太い幹に多くの水分を蓄える性質があり、蒸散量が多いため、涼しい空間作りに貢献してくれるでしょう。
一年を通して日当たりのよい場所に置けば、新芽がどんどん生長します。日中の気温が高い時間に日光浴させれば、光合成が進むうえに、成長も促せます。
・適した置き場所
直射日光を避けた日当たりのいい場所(室内)。最低10℃以上をキープ
・水やりのタイミング
春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:手で土を触って水分を感じなくなって(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)一週間程度あけた後
たくさんの葉が光合成をする「フィカス・ベンガレンシス」
濃いグリーンの楕円の葉が優しげで、さまざまなインテリアに合わせやすい「フィカス・ベンガレンシス」。
生育期には多くの広葉を出すため、光合成の能力が高め。しっかりと光合成することで、より多くの二酸化炭素を吸収してくれます。
ゴムの木の仲間で、ゆっくり生育するので、初心者の方でも樹形を崩すことなく育てやすいのもポイントです。
・適した置き場所
直射日光を避けた日当たりのいい場所(室内)。最低10℃以上をキープ
・水やりのタイミング
春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2〜3日後
風に揺れる葉に盛んな光合成が期待できる「エバーフレッシュ」
細かい葉が軽やかな「エバーフレッシュ」。
日中には開いている葉が夜には閉じる「睡眠運動」が特徴。夜間は水分の蒸発を防いでいるため、蒸散は期待できませんが、日中には一枚一枚の細長い葉が蒸散を活発に行い、光合成で二酸化炭素を吸収してくれます。
風で揺らめき、さらさらと音を奏でる姿にも涼を感じられるでしょう。
・適した置き場所
直射日光を避けた日当たりのいい場所(室内)。最低10℃以上をキープ
・水やりのタイミング
春夏:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)
秋冬:手で土を触って水分を感じなくなったら(鉢の中央部分までしっかり乾いてから)2〜3日後