今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
想起と信念
今週のさそり座は、明るすぎる時代にあえて「暗さ」と「手探り」を選び取っていこうとするような星回り。
『月の句は月明かもて書き留めむ』(安住敦)という句のごとし。
この句は、「薄暗さ」への感度を失った現代人への逆照射にもなっており、暗闇の縁(ふち)に浮かんでくるような言葉を、手探りで拾ってゆくような詩作こそが、人の精神を深く耕していくのではないかという、詩人の信念がそこには滲んでいるように感じられます。
あなたもまた、そんな静かな美学を身をもって示していきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今ここの壊れそうなものへの共鳴
今週のいて座は、カラスの鳴き声の悲哀やひび割れた粘土の手触りに感じ入っていこうとするような星回り。
さまざまな国家指標において他のアジア諸国に肩を並べられるどころか、既に追い抜かれてしまった日本ですが、経済指標以外のところで何が日本の強みなのかと聞かれた際、いまや真っ先にアニメや漫画などの文化的なソフト資産をあげる人がほとんどでしょう。
ただし、そこからさらに一歩踏み込んで、ではそうした日本文化を特徴づけるものとは一体何なのかと問われた時、とっさに「わびさび」などと口に出してみる人はいても、それをうまく説明できる人や、実際に自分の活動に適用できている人などは、かなり少数派になってしまうのではないでしょうか。
あなたもまた、自身のアイデンティティのルーツを感じ直す意味でも、「わび・さび」を自分の生活空間や日常に取り入れてみてはいかがでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ひとりでできるもん
今週のやぎ座は、過去と現在、天上と地上、生と死とを同時に包みこんでいこうとするような星回り。
『父がつけしわが名立子や月を仰ぐ』(星野立子)という句のごとし。
はじめからこの句のような佳句が生まれた訳ではなく、繰り返し悲しみを句にのせていくうちに、「知らずに浮かんで」きたと語られていることの重さは、悲しみというものが「作る」のではなく、「共鳴する」ことによって現われるという事実をよく示しているように思います。
あなたもまた、そうすることでしか留められなかった思いの結晶を通じて、少なからず自分自身を結び直していこういくことになるでしょう。