格言⑩「“買う理由”がハッキリしていれば、売るタイミングも逃さないはず!」
個別株への投資で難しいのが「利益確定」のタイミング。購入時よりも株価が上がり、含み益が増えると「まだ上がるから、今、確定したらもったいないんじゃないか?」と思いつつ、「でも下がったら損をしてしまう~」とモヤモヤが。その結果、なかなか売れない状態に陥りがち……。
「こういう方は少なくないんじゃないかと思います。ちょっぴり厳しい言い方になっちゃいますけど、“売りどきが分からない”っていうのは、最初の設定が甘いからなんですね。株を買う前に、『この会社のこの商品は売れる。半年後の決算前までに、株価はこれぐらい上がるだろう』と、ある程度イメージしておくことが大事なんです。そうすれば売りどきは自然と決まってくるし、なんとなく銘柄を持ち続けることはないわけです」
投資先の解像度を上げ、安定した利益を得るためにも「企業について調べたり、分析するのは大切」とも。
「過去5年分ぐらいの決算は、買う前に調べたほうがいいと思います。特に、近年で大暴落があった2020年のコロナ禍中のデータは、会社の体力が測れるのでしっかり確認しましょう。こうして企業への理解を深め、出口を決めておく。海外情勢など予期せぬ展開が起こった際にどうするか、というのも事前に考えておきましょう。たとえば『想定外に上がった場合は、〇%を売る』など。逆もしかりです。予想したとおりには株価が上がらなかった場合はどうするか、撤退のタイミングも考えておきましょう」
撮影/三浦晴 イラスト/Kanna Takeda 取材・文/石井絵里