本当は秘密にしたい…。絶景・サウナ・絶品料理も！一組限定・隠れ家宿一泊レポ

山中にたたずむ一軒家。これが一日に一組だけが泊まれる「イチイチ」のお部屋です。暖簾が揺れる入り口、そこかしこに置かれた古道具。古き良き時代を感じさせるレトロなものが好きな私にとって、ここで過ごす一日は素晴らしいものになるに違いないと確信させる外観。古民家をリノベーションしたように見えるのですが、実は新築。そこに手を加え、ずっとそこにあるかのような落ち着いた雰囲気に仕上げたそう。

中に入ってすぐの土間空間。インテリアとしてではなく、日々実際に使われている、美しい民藝の品々が迎えてくれます。けれどさらに驚くのはその先。

扉を開けて真正面の風景に息をのみました。

繊細な格子も印象的な窓の外に、長野の山々が広がっています。

この日は生憎の雨でしたが、それもよいものでした。晴れた冬の日に見える北アルプスも絶景ですが、霧のかかった山々も神々しい美しさがあります。

今回の宿泊での楽しみの一つだったのが陶芸体験。「体験」を大切にするイチイチでは、予約をすれば、陶芸や金工など暮らしの道具づくりに挑戦することができます。

陶芸の初日は土を練り、ロクロで形にするところまで。丁寧に時間をかけて指導してくださるので、陶芸初心者の私でも、ここまでの形に仕上がりました。初めは緊張したものの、いつの間にか時間を忘れるほど集中。翌日には削り作業も行い、仕上げの成形をします。

この日、テーブルの上には、以前の宿泊者の作品が並んでいました。
私が作った器も、焼きあがるとこんな風になるのかな？と、一層楽しみになりました。

ものづくり体験は、ほかにカトラリーを制作できる金工体験、効き茶体験も選べます。

体験のあとは、お風呂でリラックスタイム。サウナ好きとしては、入浴時間にかなりの期待値をあげて伺ったのですが、想像以上でした。美しいタイルに、木の香りが漂う浴槽。二つある浴槽の一つは水風呂で、サウナ時の水分補給に水飲み用の蛇口や竹製のコップも完備されていました。痒いところに手が届くとはまさにこのこと。

開くのがワクワクするような、サウナへの入口。中には、熱くなった石に水をかけて蒸気を発生させられるロウリュも用意されており、自分のペースで楽しめます。浴室には縁側があり、山々を眺められる外気浴スペースはこれまた最高に贅沢な時間でした。

脱衣室も温かみと落ち着きを感じられる空間で、身体だけでなく心も整うように感じました。

旅の大きな楽しみである食事。ここでは、地場の季節の食材を使い、店主さんの故郷でもある「蘇州」にまつわる薬膳中華の手料理が振る舞われます。夕食はコース料理で、朝食は粥定食。ほぼヴィーガンですが、発酵食品が多く使われていて、心から満足する美味しいものばかりでした。いつか、レシピ本を出して欲しいと切に願うほど。

器やカトラリーもすべて店主さんの手作りで、お料理に合わせて作られています。
美しいデザートが、一層引き立つ器選び。舌だけではなく目でも楽しませていただきました。

ウェルカムティーだけではなく、宿泊中いつでも楽しめるお茶と茶器も用意してくれています。