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[京都]建築としての美しさも格別! 「アサヒグループ大山崎山荘美術館」

【山荘2階】雄大な景色を望むテラスでティータイムはいかが?

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続いて2階へと進みます。まずは優美な手すりが印象的な中央階段へ。やはり目を引くのが、ヨーロッパから取り寄せたというステンドグラス。なんとこの山荘の設計段階から現在の位置に置くことが想定されていたそうで、光を浴びてきらめく姿は何とも神々しい光景です。

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階段右脇の壁には鏡が設けられ、空間を広く見せる工夫がされています。ちなみに天井の照明は、大山崎山荘が建てられた際、山本氏から加賀氏へ新築祝いとしてプレゼントされたもの。ここにも2人の深いつながりを感じられます。

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天井が高いこちらのスペースは、かつてダンスパーティーが開かれていた場所でした。クラシックな空間で優雅な時間が流れていたのでしょう。明治28年(1895)頃に作られたドイツ製オルゴール“ミカド”が、このレトロな空間をより印象深いものにします。

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このフロアでまず見学したいのが、貴賓室の奥に設けられたバスルーム。バスタブに洗面台、トイレにシャワーが完備され、蛇口をひねるとお湯が出たそうです。当時最新の設備に、ゲストもきっと驚いたことでしょう。

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かつて加賀氏夫妻の寝室を生かした喫茶室は、見学のみの入室も可能。併設するテラスでは、開放的な雰囲気を味わいながらティータイムを過ごせます。

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テラスの向こうに広がるのは、空と山、3つの川が織りなす大パノラマ。石清水八幡宮が鎮座する対岸の男山をはじめ、遠く京都府南部から奈良県に連なる山々の雄大な景色を楽しめます。

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「ホットコーヒー」650円、「ワインケーキ」550円(アルコール分4%含む)

四季折々の景色と共にいただけるのが、こちらの「ワインケーキ」。しっとりとした食感とほのかなワインの香りを味わいながら、優雅なティータイムを満喫してみてはいかがでしょうか。

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セイロンの茶葉を使った香り高い紅茶のロールケーキ「お茶会への招待」(奥)と、
中近東で伝統的な菓子「バスブーサ」をベースにした「アラビヤからの風」(手前)。各900円

また、2025年12月7日まで開催されている特別展「美術館で大航海! ~コレクションをたどって世界一周」に合わせて提供されているのが、展覧会にちなんだオリジナルスイーツメニュー。リーガロイヤルホテル京都協力のもと考案された、国際色豊かな2つのケーキを味わえます。このように展覧会をイメージした、期間限定オリジナルメニューにも注目です。

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イギリスのチューダー・ゴシック様式に典型的な木骨を見せるハーフティンバー方式や、
スイスのシャレー(伝統的な木造小屋)のイメージが取り込まれている

絶景を楽しめるテラスですが、山荘側に目を移すと、ここにも加賀氏のこだわりが。欧州留学の際に目にしたイギリスやスイスの建築を参考にした外装が施されています。他にも、日本の民藝運動に貢献したバーナード・リーチの作品なども展示されているのでぜひチェックしてくださいね。

【アプローチ&庭園】自然に溶け込む登録有形文化財もチェック!

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美術館へと続くアプローチにも、建築ファンの心をくすぐる建物があります。まずは、美術館を訪れた人を迎え入れてくれるこちらのトンネル。岩盤をくりぬいたレンガ造りの琅玕洞(ろうかんどう)は、国の登録有形文化財に指定されています。表と裏のデザインが異なるので、訪れた時はその違いを楽しんでください。

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かつて車庫として使われていたレストハウス(無料休憩所)も、国の登録有形文化財。チューダー・ゴシック様式の建物の内部には、当時のガレージの扉やピットの跡が残されています。美術館には大きなかばんの持ち込みができないので、こちらの無料コインロッカーに預けましょう。

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山荘本館の斜面下に広がる庭園もぜひ散策したいところ。春の桜や秋の紅葉などが美しく、園内の池でも初夏には睡蓮の花を楽しめます。加賀氏が住んでいた時代も、こちらの池には睡蓮が植栽されていたそう。安藤建築も顔をのぞかせる美しい空間は、写真撮影におすすめです。

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階段を降りた先の突き当たりにある窓からも、先ほど紹介した庭園の池の睡蓮を鑑賞できる

現代日本を代表する建築家・安藤忠雄氏が設計した2つの建物も、建築好きなら見ておきたいところ。なかでも「地中の宝石箱」(地中館)は、周囲の景観との調和をはかるため半地下構造で設計。展示室へと続く階段を進むごとに昭和初期から現代にタイムワープするような気分を味わえます。

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展示室には、印象派の巨匠クロード・モネの《睡蓮》連作を常設展示。鮮やかな色彩と柔らかな筆致が生み出す美しさをじっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。

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