暑い夏につきものなのが夏バテ。だるくて元気が出なかったり、食欲が低下しておいしいものを楽しめなかったり。せっかくの夏を楽しみきれないなんてもったいない!食事でできる夏バテ対策を管理栄養士がご紹介します。カラダの準備を整えて、夏バテ知らずの夏を迎えましょう!
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夏バテの原因は?
夏バテというのは医学的な用語ではないようですが、暑さからくる食欲低下や栄養の偏り、睡眠不足などが原因でおこる体調不良の総称です。
現代では、冷房による室内外の温度差による自律神経の乱れも原因となっていると言われています。(※1)
だるさや食欲不振、不眠、冷えなどの症状があり、毎日の生活に支障が出るのでなんとしても避けたいですよね。夏バテを予防するために、食事面からも対策をしていきましょう!
夏バテを予防する栄養素ってあるの?
実は、夏バテ対策に効果があるという食品や栄養素は、まだ明らかにされていません。
ここでは巷で「夏バテに効く」と言われている栄養素の本当のところを探ってみたいと思います。(※2)
たんぱく質
たんぱく質は主にからだをつくる栄養成分です。そのほかにもホルモン・酵素・抗体などの成分でもあり、からだにとって非常に重要な栄養素です。夏に限らず、年間を通してしっかりと摂ることが大切です。
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆など主菜に使われる食材に豊富に含まれています。食欲が減退すると、肉や魚料理は避けてしまいがち。
ゆでたり蒸したりして、あと味がさっぱりと食べやすくなるように調理方法を工夫して、十分に食べることを心がけましょう。(※3)
ビタミンB1
「夏バテには豚肉(ビタミンB1)」は今や常識のように扱われていますが、日本人のビタミンB1が不足することは極めて稀で、夏バテのためにビタミンB1を集中的に食べる必要性はないと考えられます。
しかしながら、ビタミンB1は体のエネルギーを作り出すために重要な栄養素。十分な量を摂ることが大切です。
ビタミンというと野菜や果物をイメージするかもしれませんが、ビタミンB1は肉や魚に多く含まれています。
夏場は、さっぱりとした麺類など、糖質に偏った食事になりがちです。そのため、糖質をエネルギーに効率よく代謝するビタミンB1の食材を積極的にとりいれましょう。(※2)
クエン酸
「疲労回復にクエン酸」と言われることが多いですが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータが見当たらないそうです。研究者の間でも意見が分かれており現段階では夏バテに効果があるかどうかは分かりません。
クエン酸はレモンやグレープフルーツなどの柑橘類に含まれていますが、さっぱりとした清涼感のあるこれらの食材は食欲が低下しているときには食べやすい食材でもあります。
ビタミンCなど私たちの体に必要な栄養成分を豊富に含んでいるので、果物は夏バテ対策に限らず、積極的に食べたい食品のひとつです。(※4)
アリシン
ニンニクや玉ネギに含まれるアリシンも疲労回復の栄養素と言われることがあります。ビタミンB1と結合することで、ビタミンB1の体内への吸収率を上げるようです。
前述のとおり、ビタミンB1と夏バテ予防の関連についてはまだ分かっていないので、アリシンを目的に積極的に食べる必要性は低いと思います。
しかしながら、スタミナ食とも呼ばれているニンニク料理は、暑い夏にはパワーをもらえる気がします。食べることで元気になるという心への作用はとても大切なことですよね!(※5)
夏バテ対策は規則正しい食事から
1日3食しっかりと
食事量の不足から起こるエネルギー不足を防ぐために、1日3食の規則正しい食習慣を心がけましょう。
暑くなる前から体調や生活リズムを整えておくことで、暑さに負けない体づくりをしておきたいですね。
真夏の食欲が低下する時期には、1回の食事量が少なくても3回の食事を通してバランスを整えることもできますよ。