「日ごろから、ネガティブなことがあったときに立ち直れない」「まわりの人にとってはなんでもないことでも自分は気分が沈んでしまう」……そんな落ち込みやすい性格に悩んだことはありませんか? この記事では、気分が落ち込みやすい原因や落ち込みやすい性格を改善するコツについて、心理カウンセラーの萩原かおりさんに解説してもらいました。
萩原かおり(心理カウンセラー)
落ち込みやすい人はネガティブな気持ちになりがちで、物事に対して消極的な態度をとります。
うれしさや楽しさを感じにくく、傷つくことも増えていきます。
マイナスの影響が大きいので、「落ち込みやすい性格を直したい」と考えている人はたくさんいるでしょう。
今回はそんな悩みを持つ女性に向けて、落ち込みやすくなる原因と改善策をご紹介します。
気分が落ち込みやすい原因とは
気分が落ち込みやすいのには原因があります。
代表的な原因について、4つピックアップしてご紹介します。
(1)まわりの目を気にしすぎてしまう
ほとんどの人は「自分が人からどう見られるか」を少なからず気にしていて、特に協調性を重んじる日本人はこの傾向が顕著です。
他人からの称賛を求めて「人からこう見られたい」という理想像を設定し、理想像に合わせたふるまいを意識します。
まわりからの目を気にしすぎてなかなか本音が言えないので、心もオープンにできずストレスがたまります。
しかし他人の目を気にしすぎてしまうと、自分の判断よりも他人の判断を重視するようになります。
また、他人からの称賛がほしいという気持ちよりも他人からの否定を避けたいという気持ちが勝り、どんどん消極的になります。
そして他人の一挙一動を恐れるようになり、ちょっとネガティブな言葉を言われただけで落ち込んでしまうでしょう。
(2)理想が高すぎる
自分に厳しいのは立派なことではありますが、あまりに大きな目標を掲げるなど理想が高すぎると現実とのギャップが大きくなり、なかなか現状に納得できず落ち込みやすくなります。
たとえば、テニスをはじめたばかりなのに日本の代表選手のプレーと自分のプレーを比べたら落ち込んでしまうでしょう。
自分に厳しくしすぎたり大きな目標を掲げたりするなど、高すぎる理想を持って行動すると、今の自分を否定しないといけないことが出てきやすくなります。
最終的なゴールは大きくしてもいいのですが、今すぐに大きな目標を達成しようとするのはやめましょう。
自分を否定すればするほど自己評価が下がっていき、「自分はなんてダメな人間なんだろう」と落ち込みやすくなってしまいます。
(3)過去の失敗を引きずっている
落ち込みやすい人は、気持ちを切り替えるのが苦手です。
たとえば、仕事で大きな失敗をしてしまったら、何度もそのことを思い出し、いつまでもその失敗を引きずってしまいます。
ネガティブな感情や出来事を思い返せば思い返すほど、気分が落ち込んでしまうのは当然。
気持ちを切り替えられず、長期間暗い気分のまま過ごすことになるでしょう。
慎重な人ほどリスクを避けようとする意識が強く、失敗体験を何度も思い返したり、これから先のことでも「もし失敗したら」という最悪のケースを想定したりする傾向があります。
ある程度はリスク回避の対策を練っておく必要がありますが、過度な心配はかえってプレッシャーになり失敗しやすい状況を招きます。
そしてまた失敗を繰り返し、どんどん気分が落ち込んでしまう人もいるのです。