自我が強い性格になる要因
こうした自我が強い性格は、どんな環境や考え方が要因として関係するのでしょうか。
(1)「自己主張=良いこと」という考え方
自我が強い人は、自己主張をすべきだと思っていることが多いです。
自分の人生を生きていきたいという揺るぎない気持ちがあり、そのためにも自分を主張すべきだ、自分を出すことは良いことだと思っています。
私たちは誰もが他人から認められたいという承認欲求を持っているもの。
しかし、成長過程において親やまわりの人たちから十分に承認されてこずに欲求が満たされなかったり、否定されて傷ついた経験があったりすると、つい「私が、私が」と主張してしまうようになる傾向があります。
また、親に甘えることができないような環境だった場合も、弱さを見せることが苦手になる分だけ強くなろうとして、自我が強く出ることもあります。
(2)想像力の欠如
自我の強さが悪いほうに出てしまうケースは、他人の置かれた状況に想像が及ばないことが大きな要因です。
自分以外にもいろいろな考え方をする人がいるという事実や、自分が自己主張をしたときにまわりの人がどう思うのかといった他人の心理について想像力が足りていないと、自分の考えばかりが強くなってしまいます。
背景としては、親が過保護だったり、まわりにいた人たちが優しくて受け入れてくれるようなタイプだったりした場合、それに甘えて、他人の気持ちまで考えずとも今までやってこれてしまったというケースが考えられるでしょう。
(3)元々好き嫌いがはっきりしている
好き嫌いがはっきりしていて、あいまいでぼんやりした状態に身を置くことが嫌いだと思っていると自我は強くなります。
物ごとに白黒つけると気持ちよく感じるため、まわりの人との妥協点を見つけたり、状況に応じて融通を利かせたりするのが苦手なのです。
自我が強い性格をプラスに変えるには?
長所にも短所にもなる「自我の強さ」。これをよりポジティブな方向へ育てるにはどうしたらよいのでしょうか。
最後に、自我の強さをプラスに変えるコツについて解説をします。
(1)反対意見を「否定」として受け取らない
自我が強い人は、自分の意見を相手に受け入れてもらえないと、「自分が間違っているの?」「否定された」などと解釈して、感情的に反応してしまいます。
みんなが同じ意見であることはそもそも難しいもの。反対意見を言われたとしても、それは自分と違う意見なだけであって、別に否定されたわけではないことをしっかり認識しましょう。
(2)「なぜ相手はそう思うのか?」に興味を持つ
自分の意見をはっきり持つことは良いことなので、自分の意見を大切に思うように、相手の意見も尊重してみてください。
自分と考えが違えば理解できないこともあるかもしれません。しかし、「どうしてこの人はそう思うんだろう?」と相手の背景に興味を持ってみましょう。その人の置かれた立場や気持ちなど、気づくことがあると思います。