次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
ラブホの上野さん
今回の失敗デート
片思いしている男性との食事デート。過去の恋愛話になり「元カノからの結婚のプレッシャーに耐えられなくて別れたんだよね(笑)」と言う相手。そのあと「○○(私)は結婚願望ある?」と聞かれ、思わず相手にあわせて「な、ないよ~!」と答えましたが、本当は今すぐ結婚したいくらい結婚願望があります。こういうとき、どう切り返せばよかったのでしょう。
就活生に「転勤は大丈夫ですか?」と聞く企業と同じ
ご質問誠に有難う御座います。
私が就職活動をしていたとき、とある企業の面接でこんな質問をされたことが御座いました。
「うちの会社は転勤が多くて、地方勤務になることも多いんですよ。それが嫌で辞めちゃう人もいるんですが、転勤は大丈夫ですか?」
こんな聞き方をされて「いえ、転勤は嫌です」なんて言える就活生はそうそういないことでしょう。
もちろんその会社に転勤が多いことは簡単に調べられることなので、転勤が嫌ならばそもそもその会社を受けなければいいというのがもっともな意見だと思います。
とはいえ、すべての社員が必ず転勤をするわけではありませんし、その会社のことを調べていない場合もあるでしょうから、「転勤をしたくない」と思っている就活生もいたことでしょう。
しかし、そんな就活生であったとしてもその場で「転勤は嫌です」と言えたとは思えません。
本当は転勤をしたくないと思っているにもかかわらず、自分の気持ちをおさえて「はい、大丈夫です」と答えたことでしょう。
つまり、転勤OKな就活生も、転勤NGな就活生も「転勤は大丈夫です」と答えるに決まっているのです。その場で「実は転勤したくないんですよ〜」なんて言う就活生は存在いたしません。
それでは会社側は、いったいなぜ「転勤は大丈夫ですか?」という質問をしたのでしょうか?
会社だってバカではありませんので、就活生が本心ではどう思っていようと「転勤は大丈夫です」と答えることくらいは知っています。
つまり、この質問で相手の真意を確かめることなどできません。
そうにもかかわらず、会社側が「転勤は大丈夫ですか?」と質問をするのは、入社後のトラブルを軽減させるためでしょう。
会社の都合上、社員に転勤を命じなければいけない状況があるのはやむをえないことだと思いますが、基本的に大抵の方は転勤を望んではおりません。
ですので、転勤命令を出した際に、それを不服とする社員も多いことでしょう。
時にはそれが裁判沙汰になることだってあるかもしれません。
ですが、面接の際に「転勤は大丈夫です」と就活生に言わせておけば、この問題が起こる可能性はかなり軽減されることでしょう。
「だってあなた『転勤は大丈夫です』と言ったじゃないですか」
実際、裁判になったとしても、このひと言があるかないかはかなり重要になってきますので、面接の際に「転勤は大丈夫ですか?」と聞くのは非常に重要なことなのです。
「結婚願望あります!」なんて言えるわけない
それでは今回のご質問に戻りましょう。
先ほど面接の話をさせていただきましたが、今回のご質問はこの面接の話とほとんど同じで御座います。
今回の男性は「結婚願望ある?」と聞く前に、わざわざ「彼女の結婚願望が強いせいで別れた」と言っているのです。
こんな前振りをされた状況で「結婚願望があります!」なんて言える方はそうそういらっしゃいません。
まさに今回のご質問者さまもその通りでしょう。
ご質問者さまは「思わず」とおっしゃっておりますが、ご質問者様が「思わず」言ってしまったのは、彼が結婚願望に否定的な話をしていたからなのです。
彼に気に入られたい、彼と付き合いたいと思っているご質問者さまが、こんな状況で「結婚したいです!」と言えないのは当然のことでしょう。
さて、ご質問者さまは「結婚願望がない」と言ってしまったことを後悔して、あのときにどのように返事をすればよかったのかお悩みのようですが、そもそも彼はいったいなぜこのような質問をしたのでしょうか?