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リノベ感覚の家を新築で経年変化が楽しめる自然素材で自分の家をゆっくり育てる

インテリア

著名な写真家の夫と、夫の事務所スタッフでもある妻、そして愛犬のルルちゃんの、2人と1匹が暮らす鎌倉・極楽寺の住まいは、周囲を緑に囲まれたとても静かな場所にある。
「祖父の家が鎌倉にあり、この家に越す前は同じ鎌倉の浄妙寺に住んでいましたので、住まいはやはり鎌倉で探していました」
写真家は御殿場にスタジオを構えている。その仕事場は有名な建築家が腕をふるった設計ということもあり、自宅はゆっくりと過ごせる落ち着ける空間にしたいと考えていたそう。その話を知人にしたところ、建築家の宮田一彦(宮田一彦アトリエ)さんをご紹介いただいたのだとか。

宮田一彦(宮田一彦アトリエ)

「宮田先生にぜひ中古物件をリノベーションしていただきたいと考えていたのですが、なかなか物件が見つからず、頭を新築に切り替えてようやく作ることができたのがこの家です。
ここは車もほとんど通らない奥まった場所なのですが、さらに旗竿敷地ということもあってとても静かです。朝は鳥の声で目覚めるのがとても気持ち良いです」
ちなみに、元の地主さんはアーティストに土地を譲りたいという希望があったそうで、格安で譲り受けたのだとか。こういうことが起きるのも鎌倉という土地柄ならではかもしれない。

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障子越しの柔らかな光が美しい。リノベーションを得意とする宮田一彦さんが手掛ける新築物件は、構造体をなるべく見せるように設計されている。ソファとダイニングチェアはハンス・ウェグナー。ぶ厚い天板のガッシリとしたダイニングテーブルはTRUCK FURNITURE。

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等間隔の壁の間柱が美しい。間柱にかけた額装は、モリソン小林の彫刻作品。

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天井や壁のリズミカルな構造体が美しい。手前は薪も使えるペレットストーブ。「311の際の鎌倉の計画停電を経験し、なるべく電気に頼らない自然エネルギーで暖をとれるようにしておきたいと思いました」

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リビングから玄関への目線。裸電球の連なりが美しい。そして、天井付近のモルタルの塊がアクセントに。ここは上階の書斎の部分にあたる。そして天窓から明かりを効率的に取り入れている。

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タイル張りのキッチン。天板はステンレス。「プロパンガスを使う地域なので、コンロはIHにしました」

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ダイニングテーブルの上のアンティークの照明は、フィリップス社のインダストリアルなランプシェード。

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ガラス作家の安土草多のランプシェード。「若い作家さんの作品です。以前から気になっていたのですが、照明器具を探していた時にちょうど鎌倉で展示会をしていて、縁を感じて購入しました」

「階段を登れない犬と同じ部屋で寝たかったので寝室は2階ではなく1階に、そして書斎は2階へという間取りの希望だけお伝えして、設計はほぼほぼ宮田先生にお任せしました。
悩んだことといえば、壁は縦の間柱を見せるのか漆喰の白い壁にするかだったのですが、”新築に見えない家”というテーマに沿って、間柱案に決めました」
照明器具にはこだわったのだそう。
「リビングに裸電球を吊るしたのは初めてだと工務店の方に言われました(笑)。電球にもこだわりました。実験として実際に旧来の電球とLEDを使い比べて、LEDを選択しました。LEDは食わず嫌いだったのですが最近はかなりよいものが出ているんですね」

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壁一面の本棚。その横にLINNやJBLスピーカー、そしてコロンビアのSP盤を聴けるレコードプレイヤーが柔らかな気持ちの落ち着く音を奏でる。

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仕事で使うカメラは事務所にあるが、湿気に強いブリキ缶の中に除湿剤とともに趣味のカメラが収められている。「このブリキ缶は無印良品のものです。以前から持っていた棚に偶然ピッタリと収まりました」

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書斎のデスクはアーロンチェア。ブラインド越しの光が美しい。

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2階の廊下。建具は古いものを使っている。左上の窓は星見櫓の出入り口。

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「柵のない星見櫓を作っていただきました。この辺りは夜は真っ暗になるので、星を見れたら綺麗だろうな、と」

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階段の目線の先にメープルソープのリトグラフを飾る。手すりは無骨な異形鉄筋。

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