息を吸うかのように「嘘をつく」人っていますよね。なぜ、そんなふうに嘘をつくのでしょう。今回は心理カウンセラーの高見綾さんに、嘘をつく原因や嘘を見抜く方法、うまく付き合う方法を教えてもらいます。
人は誰でも、程度の差こそあれ嘘をつくものですが、日常的に嘘をつくような「虚言癖」のある人もいます。
あまりにも嘘が多いとその人のことが信頼できなくなりますし、付き合うのにも疲れてしまいますよね。
そこで今回は虚言癖になる原因と嘘の見抜き方を紹介します。嘘をつく人とどうやって付き合っていけばいいのか、上手な関わり方のポイントを解説します。
嘘をつく癖がある人。「虚言癖」って何?
虚言癖とは、嘘をつくことが日常的な癖になっている状態をいい、病気とは異なります。
自分のプライドを守るため、また自分を良く見せてまわりの気を引くために、大きな嘘から小さな嘘までさまざまな嘘をつきます。
辻褄が合わないことも出てきますが、本人はあまり気にしていません。取り繕うために嘘を重ねていくと、だんだん現実との区別があいまいになっていき、嘘のほうが現実だと思い込んでしまうこともあります。悪いことをしている意識があまりないのが厄介なところです。
虚言癖になる原因は?
では、虚言癖になる原因についてもいくつかご紹介します。
1.見栄っ張り
虚言癖の人は承認欲求が人一倍強いです。まわりの人から「すごいね」と注目されるために、話を盛ったり嘘をついたりする場合もあります。
プライドが高く、理想とはちがう自分を受け入れることができず、本当の自分の姿を隠して、ほかの人よりも優位であろうとします。見栄を張ることで自分を保っています。
2.孤独感が強い
子どものころに親に構ってもらえずにほったらかしにされてきた人や、無視された経験のある人、十分な愛情をもらえなかった人は寂しさや孤独を感じやすくなります。
親からしてほしかった注目を他人からもらおうとして、嘘をついて気を引こうとすることもあります。
たとえば「こんなに大変なことがあった」と不幸話をして同情を誘うことができた場合は、それが成功体験となり、さまざまな不幸話を作り上げることでかまってもらおうとするようになります。
嘘をつかないと、人の興味関心を引くことができないという心理があります。
3.劣等感が強い
コンプレックスが強く、本当の自分がバレたら嫌われると思い込んでいます。
たとえば学歴や経歴にコンプレックスがあれば、誰もが知っている有名大学卒だと言ったり経歴を盛ったりするケースも多いです。
自分は劣っていると思っているぶん、「人に勝ちたい」欲求が強く、コンプレックスを隠して理想の自分を演じるために、嘘で塗り固める傾向があります。
4.努力ができない
本来であれば、自分に自信がないのであれば、なんとか努力して改善していこうとするものですが、虚言癖のある人はそれができません。
理想とちがう自分の姿を受け入れられず、また努力するにしても最初から「そんなことはできない、無理だ」と諦めてしまっています。
まわりの人からすると、経験を重ねていないぶん、人間性に深みが感じられないため、薄っぺらく感じられてしまうことも多いようです。