無料の会員登録をすると
お気に入りができます

四囲を壁で包んだ家住宅の密集地ながら、静かで落ち着き感のある空間で暮らす

インテリア

建物にぐるりと壁が巡り屋根の形どころか、住宅なのかどうかさえもわからないH邸。このつくりは住宅が密集する周囲の状況から導き出されたものだった。

2階から1階のリビングとダイニングキッチンを見下ろす。

picture

左の木のボックスには洗濯機が入っている。テラスが隣にあるので洗濯したものをすぐ干すことができる。

picture

2階和室から見る。すぐ前の壁には間接照明が仕込んであり、下からの反射でほんわりと空間が明るくなるようにしている。

picture

日差しの強い時期には右のテラス上部にオーニングを取り付ける。

picture

ウォークインクローゼットの扉上部のアールのラインが空間の雰囲気を和らげている。奥は将来の子ども部屋。

さらに室内空間の明暗のメリハリも落ち着きをもたらしている。全体を一様に明るくするのではなく陰を意図的につくり出しているのである。「明るいところをつくるということは同時に暗い部分をどうつくるか、陰をどうつくるかという話になる」と話す森さん。その結果生み出された明暗のメリハリが空間の高低のメリハリとあいまって歩くごとに風景が変わっていくような印象を与えることに。

picture

天井高がダイニング部分で2.1m、奥のリビングが4.6mと、明暗だけでなく高さのメリハリも効いている。

この家に住み始めて2年。Hさんは「とても静かで、かつとても住みやすい」という。プライバシーへの配慮から壁で四囲を包むつくりにしたことで外部からのノイズが大きく取り除かれて都市部では珍しいほどの静けさがもたらされた。そして、この静けさが落ち着きのある家具の色と意図してつくり出された陰をほどよく抱え込んだ室内にマッチして心地良い空間をつくり出している、そのように思われた。

H邸
設計 MDS
所在地 東京都
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 113.83㎡

オリジナルサイトで読む
記事に関するお問い合わせ