世界中で愛されている、チャールズ・M・シュルツのコミック『PEANUTS(ピーナッツ)』。アメリカの新聞7紙で連載が始まったのが1950年10月2日。2019年の同日より誕生70周年を祝うアニバーサリーイヤーがスタートした。日本各地でさまざまなイベントも企画されており、そのひとつが、開催中の東京を皮切りに、京都、大阪、名古屋を巡回していく「スヌーピー タイムカプセル展」だ。
知れば知るほど『ピーナッツ』が好きになる!
また、本の世界でもピーナッツ誕生記念を祝うにふさわしい決定版が登場。スヌーピーたちの生みの親・シュルツの実像に迫る評伝では、彼の驚異の創作の源泉や意外に悩み深かった私生活も明かされている。ファンならずともクリエイションに興味がある人なら興味深く読めるはず。
一方、『ピーナッツ』コミックといえば、日本では詩人・谷川俊太郎さんの訳で一気に人気に。このたび日本版で未訳だった約2000作を谷川さんが訳し下ろし、これまでの訳も自ら改訂。完全版と銘打った全集の刊行が始まっている。イベントや本に触れて、一緒にお祝いを!
愛され続ける無二のマンガを生んだ天才の素顔とは。 『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』 デイヴィッド・マイケリス 著 古屋美登里 訳
複雑な家庭事情、母親の死が落とした影、若き日のコンプレックス、ルーシーやチャーリー・ブラウンらキャラクターたちの誕生秘話、栄光の喜びとそこから滑り落ちる恐怖とに引き裂かれる心、2度の結婚と子どもたちとの関係…。稀代のマンガ家の公も私も表も裏も書き尽くした本書は、20世紀アメリカ文化の歴史をも描き出す。亜紀書房 6000円
愛でたくなるキャラクターと哲学的なセリフがコラボ。 『完全版 ピーナッツ全集』 全25巻 チャールズ・M・シュルツ 著 谷川俊太郎 訳
シュルツ氏の手書き文字を生かし、邦訳はすべて枠外に置くバイリンガル対応。装丁も美しく、全巻揃えたくなる。毎月2冊ずつ刊行。全国書店、および一部のネット書店で予約受付中。2020年3月末日までに全巻予約すると、全集をより完全にする非売品の『別巻』が無料でもらえる特典もあり。河出書房新社 各2800円
企画展に出かけて、「PEANUTSの70年」をもっと知ろう! 「PEANUTS 70th Anniversary スヌーピー タイムカプセル展」
会場には、連載開始の1950年代から2000年までのコミック内のさまざまなシーンを展示。入り口で手に入る鍵をかざして会場内に隠れたコミックを探す試みなど、展示のしかたもユニークだ。イベント限定品約100点を含むグッズショップ「アニバーサリーマーケット」も併設。会期中のお買い上げ特典にも注目。©2019 Peanuts Worldwide LLC
12月11日(水)~29日(日)10時~21時(12/15は~20時、12/29は~18時。入場は閉場の30分前まで) 西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー 一般・大学生700円(高校生以下無料) 西武池袋本店 TEL:03・3981・0111(大代表) その後、大丸京都店来年3月11日(水)~23日(月)、大丸梅田店4月29日(水)~5月11日(月)、松坂屋名古屋店12月16日(水)~30日(水)と展開。https://www.snoopy.cp.jp/70th/
※『anan』2019年12月18日号より。文・三浦天紗子
(by anan編集部)