寒い季節になると、体に優しい食事をいただきたいもの。最近話題になっている、味噌や麹、甘酒などの「発酵食品」は、腸内環境が整うなど体に優しい効果が期待できる食品です。そんな発酵食の魅力と、家庭でも気軽に楽しめるアイデアを「ますやみそ」企画部の遠藤さんにお聞きしました。
健やかな心と体は「食」から
寒い日が続くと、体調をくずしやすくなるもの。心も体も健やかに過ごすために、「何をどのように食べるか」を自然と意識するようになるのではないでしょうか。
今、筆者が注目しているのは日本で長く愛されてきた体に優しい食品のひとつである「発酵食」。毎日甘酒を愛飲しているのですが、お腹の調子が整いやすく肌の状態も良くなったと感じており、そのチカラをもっと知りたくなりました。
そこで今回は、味噌や麹を手軽に現代の食卓に取り入れる提案をする「ますやみそ」の企画部担当遠藤成将さんにお話を伺い、前編・後編にわけて、発酵食の魅力をご紹介します。
広島県呉市の発酵食品メーカー「ますやみそ」とは?
「ますやみそ」は、広島県呉市で昭和40年に設立された発酵食品メーカー。コンセプトである「母さんの味」には、手間暇をかけ愛情をこめた母さんの味を、気軽に家庭で味わってほしいという願いが込められています。
数ある発酵食品の中でも、ますやみその看板商品となっているのは味噌。清浄な空気と水に恵まれた呉市焼山の地で、「奥二河(おくにこう)の水」と称される銘水を使い丁寧につくられています。味噌の発酵蔵には、ヴィヴァルディの「四季」が響き、その音から伝わる優しい揺らぎに包まれることで、まろやかで深い味わいへと熟成されていくのだそう。
まるで揺りかごに揺られる赤ちゃんのように大切に育まれる味噌。私たちの体の隅々まで、優しく沁み渡ってくれそうですね。
健やかな毎日のために取り入れたい。発酵食の3つのチカラ
発酵食品には具体的にはどのような効果が期待できるのでしょうか。遠藤さんによると、大きく分けて3つの魅力があるのだそう。
1.栄養の吸収が良くなる
2.お通じがスムーズになり、腸内環境が良くなる
3.食材の旨みが増す
食材に含まれる成分を微生物(菌)が分解することで、体に吸収されやすくなるのだとか。そのため、胃腸への負担が少なく、体が弱っているときにも栄養を優しく体へ届けてくれると教えていただきました。
また便通が整うことで腸内環境も良くなり美肌や美髪にも導いてくれるというから、積極的に取り入れたくなりますね。
さらに、発酵によって食材が持つ成分が旨みに変わるため、発酵食品を調味料として使えば、シンプルな調理法で奥深い味わいに仕上がるのも嬉しいところ。仕事に家事に忙しい方にとって、手早く美味しい料理がつくれる食品は頼もしいですね。
家庭でも気軽に。発酵食の取り入れ方
発酵食品といってもさまざまな食材がありますが、今回は、味噌と甘酒をピックアップして、食べ方のポイントをお聞きしました。
まずは、味噌を使った最も身近なメニューである味噌汁について、より栄養が取れる方法があるのだとか。遠藤さんによると、お好みの具材を出汁で煮た後、火を止めてから味噌を溶かすことで、より汁のなかに栄養を残すことができるのだそう。味噌を溶かした後、ぐらぐらと沸騰させないことがポイントです。
もっと手軽に…という方には、もろみ味噌がおすすめ。ディップのように野菜や肉、魚などの食材に直接のせていただくことができます。マヨネーズと混ぜてドレッシング代わりにかけるのも美味しいそうですよ。
甘酒は、ひと手間かけて豆乳で割るともっと飲みやすくなります。筆者もこの飲み方で甘酒を愛飲していますが、甘さ控えめでまろやかな味わいになるのでお気に入りです。なお、甘酒は70度以上になると菌が死活してしまうため、温め過ぎないのがポイント。
他にも、砂糖代わりとして玉子焼きや肉じゃがの味付けに使うなど、気軽に取り入れることができますよ。人工的ではない優しい甘さなので、いろんな料理への「ちょい足し」を楽しんでみてください。
素晴らしい日本食文化を世界へ
日本で昔から大切にされてきた発酵食は、私たちの体を健やかに導いてくれます。
発酵食品の魅力、そして日本食文化を国内だけでなく、世界へも発信したいと歩みをすすめるますやみそ。優しくて温かみのある味わいを気軽に取り入れられるよう、日々追求しながら私たちの暮らしに寄り添う便利な基礎調味料を生み出しています。
これからも、懐かしくほっとするような「母さんの味」を大切に守りながら、発酵食品の新しい可能性を広げてくれることでしょう。
後編では、ますやみそがプロデュースする発酵食品を気軽にいただけるお店「ますきち」をご紹介します。お楽しみに。
photo / ますやみそ