(6)ハンカチを持っている
淑女はハンカチを持っています。
このように書くとすごいステレオタイプをブチこんだ気もしちゃいますよね。しかし「丁寧な人だな……」と感じさせられるのは間違いありません。
ハンカチ一枚を持ち歩くのも簡単ではないからです。
日々洗濯しているんだとか、持ち物に抜かりがないんだとか、こまめに手洗いをする人なんだとか、背景をイメージさせることができるのですね。極論、ワイルドな生活をしていると、ハンカチを持ち歩くことはできないわけです。
ほかの項目と比べて、ややインスタントな工夫の感じもします。しかし効果は抜群です。簡単に上品さを醸し出せるアイテムなので、ぜひバッグに入れておきましょう。
(7)「足りない」を知っている
京都の龍安寺。
その庭の手水鉢(ちょうずばち)に「吾唯足知(われただたるをしる)」という言葉が彫ってあります。
ざっくり意訳すると「(私は足りないことを知っている)けれども、私は今のままでも満ち足りている。だから不満はないんだよ」という感じになります。
つまり「欲しい! 欲しい!」「次も!」「もっと買いたい!」という欲望の世界にサヨナラするという精神のことなのです。
人間は欲望の生き物です。あれもこれも欲しくなってしまう。そして手に入れても、また次のものが欲しくなってしまう──グサッと心当たりがありますよね──これじゃキリがありません。
そんなことでは、いつまでたっても淑女のように落ち着けないのです。
そんなときに思い出したいのが「吾唯足知」なのですね。そろそろ、足りない、という状態に満足するのも悪くないんじゃないでしょうか。
それも淑女のエレガンスだと思うのです。
お嬢さん、エレガントにいきましょう
もう一度書きます。
淑女(品)というのは「精神の在り方」です。
だから生まれや育ちや資産は関係ありません。むしろ貴女がどのように生きていくか、というスタイルの話なのですね。
そう、貴女はいまからでも淑女になることができます。
そして、品は、いざというときに貴女を助けてくれます。これは本当です。だから、こんな世の中ですけど、私たちは、品だけは失っちゃいけないのですね。
お嬢さん。
どうせなら、何事ともエレガントにいきましょう。
貴女の人生が幸せなものになるように祈っております。