緊急事態宣言の発令を受け、不安にさいなまれているママは多いはず。でも、ピンチはチャンス!愛する子どもに実践的な食育をする良い機会ともいえるのでは。子どもが自分で料理する=子ども料理の専門家に、事故なく楽しく子ども料理を実践するための心得とコツを訊きました。
今こそ食育のチャンス!子ども料理で好きの芽を見つけよう
2020年4月7日、7都府県に発令された緊急事態宣言により、終わりの見えない春休みを過ごしている子どもが大勢いる現在。お子さんが家に居続けることで生活のペースが狂ったり家事の負担が増えたりして、不安を感じているお母さんは少なくないと思います。
でも、頭を切り替えてみてください。休園・休校で子どもが家にいるのは、実践的な食育に取り組む良い機会ではないでしょうか?
不慣れな子どもが料理することに不安を覚えるお母さんもいるかもしれませんが、大丈夫!大きな事故なく子どもに料理をさせるコツが、ちゃあんとあるんです。
子どもだけで料理をする=子ども料理の研究家である武田昌美先生に、子ども料理の魅力と、楽しく上手にやらせるコツ、心得を訊きました。
お話を聞かせてくれた人
武田昌美(たけだまさみ)先生リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。子ども自身の「好きの芽」にとことんこだわり、料理を通じて子どもの才能を開花させる幼児教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ3000人以上の子どもに料理の楽しさを通じた探求学習学を提供している。
料理で子どもの「好きの芽」が見つかる!
好きの芽
「私が思う幼児教育とは、子どもの才能を開花させること。料理には、その開花に必要な芽、子どもの“好き”を見つけるための要素が詰まっています。
混ぜたり、切ったり、焼いたり、盛り付けたりという調理の工程に取り組む姿。それを注視していると、その子がなにを楽しいと感じ、なにを上手にできるのか、見えてくるんです。たとえば、切る作業を通じて手先が器用だとわかったり、盛り付けをとおして美的な感性の豊かさを知ったり。
そして、それこそが好きの芽。子ども料理の真髄は、親が子どもの好きの芽を見つけ、子ども自身が見つけられるよう促してあげることなんです」
子ども料理をはじめる前に。覚えておきたい2つの心得
「子ども料理をはじめる前に、3つの心得を覚えておいてほしいんです」と武田先生。簡単なようで、実践するにはそれなりの覚悟が必要とのことですが……?
1. 親は見守るだけ。口も手も出さない
「子どもだけで料理をさせる。それが子ども料理です。つまり、親は見守るだけ。手はもちろん、口も出してはいけません。
子どもの好きの芽を見つけるには、子どもがやりたいようにやらせることが大事なんです。子どもが初めて卵を割る様子なんて、見ていて怖くなるくらいですが……、いけません。アドバイスや手助けをすれば子どもが親を頼ってしまいますし、『それじゃダメ!』なんて否定をすれば、余計なプレッシャーをかけてしまいます。
子どもが伸び伸びと創意工夫できるよう、あくまで見守るだけにする。それを心得ておきましょう」
2. 多少のことには目をつぶる
「子ども料理をすると決めたら、もう覚悟を決めましょう。不慣れな子どもに料理をさせるのですから、作業台やキッチンが汚れるのは仕方ありません。子どものためと思って、多少のことには目をつぶる。あと片付けはそれなりに大変かもしれませんが、そう決心してください」
子ども料理で子どもの才能を開花させる4つのコツ
では、どのような準備をし、どうやって料理をさせると子どもの好きの芽を見つけやすくなるのか。武田先生に質問すると、ポイントを4つあげてくれました。
1. 料理は簡単なものにする
パウンドケーキやスコーン
「子どもにとっての成功体験となるよう、簡単な料理を選ぶべきです。パウンドケーキやスコーンは、事前の準備を大人がすませておけば、子どもにとってもそうむずかしいものではありません。
ピザもいいと思います。冷凍パイシートを使えば、上に具材をのせるだけで、けっこう本格的なものができあがります。それに、パイシートをキャンバスに見立て、どんなふうに具材をのせるか見るのも楽しいものですよ。
野菜を手でちぎって盛って、オイルとお塩をかけるだけでも食べられるサラダもおすすめです」