02.20Fri/金

LOCARI(ロカリ)

緊急事態を食育のチャンスに!専門家が語る「子ども料理のコツと心得」

緊急事態宣言の発令を受け、不安にさいなまれているママは多いはず。でも、ピンチはチャンス!愛する子どもに実践的な食育をする良い機会ともいえるのでは。子どもが自分で料理する=子ども料理の専門家に、事故なく楽しく子ども料理を実践するための心得とコツを訊きました。

今こそ食育のチャンス!子ども料理で好きの芽を見つけよう

Photo by macaroni
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2020年4月7日、7都府県に発令された緊急事態宣言により、終わりの見えない春休みを過ごしている子どもが大勢いる現在。お子さんが家に居続けることで生活のペースが狂ったり家事の負担が増えたりして、不安を感じているお母さんは少なくないと思います。

でも、頭を切り替えてみてください。休園・休校で子どもが家にいるのは、実践的な食育に取り組む良い機会ではないでしょうか?

不慣れな子どもが料理することに不安を覚えるお母さんもいるかもしれませんが、大丈夫!大きな事故なく子どもに料理をさせるコツが、ちゃあんとあるんです。

子どもだけで料理をする=子ども料理の研究家である武田昌美先生に、子ども料理の魅力と、楽しく上手にやらせるコツ、心得を訊きました。

お話を聞かせてくれた人

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武田昌美(たけだまさみ)先生リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。子ども自身の「好きの芽」にとことんこだわり、料理を通じて子どもの才能を開花させる幼児教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ3000人以上の子どもに料理の楽しさを通じた探求学習学を提供している。

料理で子どもの「好きの芽」が見つかる!

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好きの芽

「私が思う幼児教育とは、子どもの才能を開花させること。料理には、その開花に必要な芽、子どもの“好き”を見つけるための要素が詰まっています。

混ぜたり、切ったり、焼いたり、盛り付けたりという調理の工程に取り組む姿。それを注視していると、その子がなにを楽しいと感じ、なにを上手にできるのか、見えてくるんです。たとえば、切る作業を通じて手先が器用だとわかったり、盛り付けをとおして美的な感性の豊かさを知ったり。

そして、それこそが好きの芽。子ども料理の真髄は、親が子どもの好きの芽を見つけ、子ども自身が見つけられるよう促してあげることなんです」

子ども料理をはじめる前に。覚えておきたい2つの心得

Photo by macaroni
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「子ども料理をはじめる前に、3つの心得を覚えておいてほしいんです」と武田先生。簡単なようで、実践するにはそれなりの覚悟が必要とのことですが……?

1. 親は見守るだけ。口も手も出さない

「子どもだけで料理をさせる。それが子ども料理です。つまり、親は見守るだけ。手はもちろん、口も出してはいけません。

子どもの好きの芽を見つけるには、子どもがやりたいようにやらせることが大事なんです。子どもが初めて卵を割る様子なんて、見ていて怖くなるくらいですが……、いけません。アドバイスや手助けをすれば子どもが親を頼ってしまいますし、『それじゃダメ!』なんて否定をすれば、余計なプレッシャーをかけてしまいます。

子どもが伸び伸びと創意工夫できるよう、あくまで見守るだけにする。それを心得ておきましょう」

2. 多少のことには目をつぶる

「子ども料理をすると決めたら、もう覚悟を決めましょう。不慣れな子どもに料理をさせるのですから、作業台やキッチンが汚れるのは仕方ありません。子どものためと思って、多少のことには目をつぶる。あと片付けはそれなりに大変かもしれませんが、そう決心してください」

子ども料理で子どもの才能を開花させる4つのコツ

では、どのような準備をし、どうやって料理をさせると子どもの好きの芽を見つけやすくなるのか。武田先生に質問すると、ポイントを4つあげてくれました。

1. 料理は簡単なものにする

パウンドケーキやスコーン

「子どもにとっての成功体験となるよう、簡単な料理を選ぶべきです。パウンドケーキやスコーンは、事前の準備を大人がすませておけば、子どもにとってもそうむずかしいものではありません。

ピザもいいと思います。冷凍パイシートを使えば、上に具材をのせるだけで、けっこう本格的なものができあがります。それに、パイシートをキャンバスに見立て、どんなふうに具材をのせるか見るのも楽しいものですよ。

野菜を手でちぎって盛って、オイルとお塩をかけるだけでも食べられるサラダもおすすめです」

2. 調理の手順を絵で見せる

Photo by macaroni
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子どもの判断でどんどん作業を進められるよう、工程の伝え方を工夫しましょう。武田先生の子ども料理教室では、上画像のようなカードを用意して、いつでも子どもが調理の手順を確認できるようにしています。

「手順を絵にして渡しておけば、いちいち親が口出ししなくても大丈夫。絵から得た情報をどう解釈して形にするかも、子どもの創意工夫が試される部分ですね。食材や調味料の分量などは、料理をはじめる前に親が必要量だけ用意しておけば問題ありません」

3. 火や包丁もOK。ただし、ルールを決めること

Photo by macaroni
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やらせてもいいと思います

「包丁も火も、調理に使っているときは大きな怪我をしづらいものです。扱う当人も慎重に作業するものですから。もちろん、指を切ったり油が跳ねて熱がったりする可能性はありますが、そういう小さな怪我をすることも、子ども料理で得られる大事な経験だと思います。

注意すべきは大きな怪我。気を抜いているときが一番あぶないんです。たとえば、包丁を洗っているとき。子どもは親を喜ばせようとするので、隠れて洗ってくれようとしたりするんですが、そういうときの怪我が怖いんです。

ですから、火や包丁を使わせるなら、事前にどう危ないのか時間をかけて言い含めておいてください。その上で、

・包丁にふれるのは切るときだけ
・フライパンには炒めるときしかさわらない

のようにいくつかのルールを決めて、ちゃんと守ると約束させましょう」

4. とにかく褒めまくる

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子どもが不慣れなことにチャレンジするのですから、失敗は当然あります。でも、それで親も子どももしょんぼりしていたら、好きの芽を見つけるどころか料理への苦手意識を生んでしまいかねません。

「子どもが楽しんで取り組むようにするには、とにかく褒めることです。『いいじゃん!』『それいいね!』と連発して、褒めて伸ばす。たとえ失敗したとしてもポジティブな言葉でモチベーションを上げながら、一緒に笑って楽しめるといいですね」

子どもはみんな料理が大好き!

Photo by macaroni
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ふだん、お手伝いをするのも嫌がるようなお子さんがいるご家庭だと、子どもに料理しようと言っても嫌がるんじゃ?なんて思うでしょう。でも、心配はご無用。「子どもはみんな料理好きです」と武田先生。

「多くの子どもが、大人のマネをしたいという願望を強くもっています。私の経験上、自分のペースで好きなように料理していいよ、と言えば、喜んでのってくる子がほとんど。

子どもがキッチンへふらっとやってきて、『やりたーい!』と言ったら、子どもを料理に誘うチャンス!ぜひ機会を逃さずチャレンジしてほしいと思います」

最後におさらいしておきましょう。子ども料理をするときは、以下の心得とコツを踏まえておこなうよう心がけてください。

心得

・親は見守るだけ。口も手も出さない ・多少のことには目をつぶる

コツ

・料理は簡単なものにする ・調理の手順を絵で見せる ・火や包丁もOK。ただし、ルールを決めること ・とにかく褒めまくる

子どもに任せる

取材・構成・文・写真/植松富志男(macaroni編集部)

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この記事のライター

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