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負担になるものを手放す選択。藤原史織の人生の歩み方

“負担になるものを手放す”という選択も正解

周りと比べない彼女が見つけた新しい道とはイタリア留学だった。なぜイタリア? とは私も最初に抱いた疑問だったが。

「私がイタリアに行くことを『いろいろ辞めて行くんですから、さぞかしイタリアに行きたい明確な理由があるんですよね?』というふうに思われる方もいるのですが、単純にここに住んでみたい! と思ったというシンプルなものなんです。

私は生粋の日本人らしく、時間は守る・空気を読むっていうのが染み付いちゃっているんですが、イタリア人ってそういう意味では真逆なところがあるんですよね。そんなラフな部分もありつつ、実は日本人のように職人気質なところもあったりする。彼らのそんな部分に魅力を感じて留学を決めました。理由なんてそんなものです」

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何かを手放して新しいチェレンジをする時に求められがちなのが、“それを選択するもっともらしい理由”。でも、それって誰のための理由? よそ行きに着飾った理由は、今の彼女には何一つ必要ないように見えた。

「あと仕事では、物理的な縛りがなくなってきたじゃないですか。出社しなきゃいけないとか、日本のお仕事は日本で、みたいな。だから、アドレスホッパーになって日本にいなくても日本のお仕事ができるようになるのも夢です。あ、あとウィル・スミスと友達になりたい(笑)」

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「藤原史織になって、やっと地に足が着いたように思います。やりたいことが分からなくなる時もあるけど、その反面やめたいことが見えていたりもする。そして、それをやめたことで、おのずとやりたいことが見えてくる。

私は負担になっていたものを結構下ろせたから、今こうして自分自身が見えてきたんですよね」

自分が選択した人生なのに、それを手放すって、どうしても逃げたような気になったり格好悪く感じてしまったりする。だけど、「重たい荷物を下ろすことが、前に進むには必要な時もある」と“藤原史織”の人生選択は、私たちに教えてくれるようだった。

そういえば、このインタビューでは「今幸せ?」と単刀直入に問うはずだったのだけど、すっかり忘れていた。

でも、わざわざ確認する必要はきっとなかった。だって、彼女の幸せを疑う要素が一つも見つからなかったから。

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