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負担になるものを手放す選択。藤原史織の人生の歩み方

エンタメ

取材・文:鈴木美耶(マイナビウーマン編集部)
撮影:洞澤佐智子

“Favolosa!”

正しい読み方すら分からないけど、彼女のブログはいつもこのあいさつから始まる。どうやらイタリア語で「素晴らしい」という意味らしい。

2020年4月、ブルゾンちえみ改め藤原史織に活動名を変えた彼女は、今何をしているのだろう。テレビからはすっかり姿を消したが、芸能界とは距離を取っているのだろうか? インタビュー前、なんだかネガティブなイメージが先行していた。

「私からは、彼女の今が“Favolosa”には見えないけど……」

ということで、「ブルゾンちえみではなく、藤原史織の人生を選んで幸せなの?」と単刀直入に聞いてみることにした。

「どこ目指してるの?」って声をもう聞きたくない

「藤原史織は本名だし今はもう慣れたんですけど、変更した当初は私自身も不思議な感じがしていました。『史織』ってどこか繊細なイメージないですか? 反対に『ブルゾンちえみ』ってすごくキャッチーで気に入っていたし、アイデンティティにもなっていました」

“ブルゾンちえみ”という名前は、もう聞きたくもないかもしれない。そんなふうに勝手な想像をしていたけれど、意外なことに今でもとても気に入っているようだった。

「だけど、活動を一旦更地に戻したかったんです。自分自身の区切りでもあるし、もう芸人・ブルゾンちえみではないということも伝えたかったので。

私の中で芸人さんって、いろんなことをする人だと思っていたのですが、今まで芸人さんがしてこなかった新しいことに挑戦すると『どこ目指してるの?』とか『もうお笑いはやらないの?』っていう声が出てきたんですよね。

そんな声を聞くと『そう思っている人が他にもたくさんいるのかな?』『ネタを作ることは好きだけど、それをテレビで披露しないとお笑い芸人してますってことにならないのかな?』『じゃあ、何をしたらお笑い芸人をやってるってことになるの?』と、自分がしたいことと世間が求めるものに乖離を感じてしまいました。

そんな歪みを感じながらだましだまし毎日を過ごしていると、少しずつ自分を見失っていき、自己肯定感や自信が底をついてしまって」

苦しそうに紡ぎ出す言葉からは、深く深く悩み続けた彼女の日々が感じられた。そんな時、ある人の一言が背中を押してくれたのだそう。

「このままじゃ芸人を続けるのは難しいと思っていた時に、偶然サンドウィッチマンの伊達さんとお話しするタイミングがありました。悩みをポロッとこぼしたら『単独ライブとかしてみたらいいよ』と言っていただいて。

たしかにブルゾンちえみになってから単独ライブはしたことがなかったですし、『これをやり切れば、またテレビでも頑張れるかもしれない』と、藁にもすがる思いで賭けてみることにしたんです。

正直しんどかったですけど自分自身納得できるものが作れたから、世間に評価されなくてもいいと思えました。結果、自分が面白いと思えるものを作る楽しさに気付き、それが自信にもつながった。『私、まだやれる』って」

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