ビジネスにおいて、メールの最後がいつも「よろしくお願いいたします」とワンパターンになっていませんか? メールの締め言葉には、実はさまざまな表現があります。今回は、マナー講師の三上ナナエさんに「締め・結びの言葉」の例文を教えてもらいました。
ビジネスメールの締めの言葉は、「よろしくお願いいたします」とワンパターンになりがち。
感情が伝わりにくいビジネスメールでのコミュニケーションは、締めの言葉を工夫することで信頼関係が深まるきっかけにもなっていきます。
ここでは、「締め・結びの言葉」の基本の書き方や、状況に合わせた具体例などをいくつかご紹介します。
なぜビジネスメールに「締め・結びの言葉」が必要なのか
メールの締め・結びの言葉は、なぜ大事なのでしょう。
メールではあいさつ言葉である「拝啓」「敬具」などの礼儀を省略しますので、その代わりになる言葉が必要になります。用件だけで終わると、素っ気なく、何かが足りない印象を相手に与えるからです。
締め・結びの言葉が相手との関係性や状況に合っていることで、メール全体の体裁が整いますし、丁寧に仕事を進めていることや相手への配慮が伝わるのです。
「締め・結び言葉」の基本マナー
ここでは、締め・結びの言葉の基本マナーを紹介していきます。
相手や内容に合った言葉を使う
例えば、親しい間柄でのちょっとしたやり取りなのに、「今後とも何卒よろしくお願いいたします」と丁寧すぎる締めくくりは違和感を与えます。
取引先、上司、同僚など送る相手によって適切な言葉を選びましょう。
例
・同僚→「よろしくお願いします」「ご検討ください」
・取引先や上司→「どうぞよろしくお願いいたします」「ご検討お願いいたします」
社内外を問わず、取締役など役職が高い相手や、より丁寧に伝えた方が良い相手に対しては、「何卒よろしくお願い申し上げます」「何卒ご検討いただけますと幸いです」と表現すると良いでしょう。
冒頭の言葉とバランスをそろえる
冒頭が丁寧なのに締めくくりが軽い、逆に冒頭が軽くて締めくくりが丁寧、というようにチグハグにならないようにしましょう。
例
・冒頭「お疲れさまです」+締め「よろしくお願いします」
・冒頭「いつもお世話になっております」+締め「よろしくお願いいたします」
・冒頭「いつもご愛顧いただき誠にありがとうございます」+締め「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」
クッション言葉を活用する
クッション言葉は相手の気持ちに寄り添う表現。
特にお願いの用件は、クッション言葉がないと命令調で一方的に感じさせます。バリエーションを持ち、配慮を伝えていきましょう。