(1)人間は現状維持を望むから
何かを始めることは、変化することであるともいえます。
しかし、そもそも私たち人間のみならず生物には、「恒常性」といって、たとえ内部や外部の環境が変化したとしても、心身の状態を一定に保ち現状維持しようとする性質があります。
よって、潜在意識では「変わりたくない」と思っているので、本気で変わろうとする場合には習慣になってしまうレベルまで続けていく必要があるのです。
(2)想像通りになるから
続けられなかった時に「やっぱり自分は何をやってもダメだ」「根性が無いんだ」と自分を責めてしまうと、自己評価が下がります。
私たちは、自分が信じていること(ここでは「自分はダメな人間だ」ということ)を証明しようとするので、少しでも続けられないことがあれば「ほら、やっぱりね」と確認して、どんどん自分を卑下していきます。
すると「決めたことを続けられない人間だ」という意識から、自分がその通りの自分になっていってしまうのです。
(3)ハードルの高い課題を課すから
現状を変えたいと思うあまり、高い目標を掲げ過ぎてしまうと挫折するもとになります。
意欲に満ち溢れている初期の勢いでストイックにやろうとし過ぎると、毎日続けていくことを負担に感じて続けることが困難になります。
(4)頑張った先のビジョンが弱いから
続けていくためには、自分なりの目的や目標を持つ必要があります。
ところが、頑張った先のビジョンがふわふわしていると、続けていくうちに「これを頑張って、私は何をしようと思ったんだっけ?」と動機が曖昧になります。すると、やる理由が薄れてしまい続かなくなるのです。
継続する力を身に付ける方法
ここまでで、継続する力を身に付けるのはとても難しいように感じたかもしれません。
しかし、方法次第で継続力は簡単に身に付くもの。以下をぜひ試してみてください。
(1)生活のルーティンに組み込む
前述した通り、私たちは基本的に「変わりたくない」と思っているので、新しいことを続けていくためには習慣化するのがポイントです。
重要なのは、「あれをやろう!」「これをしなければ」と意気込むのではなく、日常の流れの一部としてしまうこと。「歯磨きをしながらスクワットをする」「テレビを見ている時は足のマッサージをする」など、日常に組み込んでしまえば意識せずとも体が動くようになります。
(2)新しく何かを始める時は、やらないことを1つ作る
あれもこれもと一度にやり始めようとすると、時間的にも精神的にも余裕が無くなります。そこで、新しく何かを始める時には、やらないことを1つ作ってみるのがおすすめです。
例えば毎日自炊しているところを、勉強したい日だけ外食や買ってきた物で済ますなど、何を手放したら時間に余裕ができるのかを考えてみましょう。
(3)緩くやり始める
意気込み過ぎてストイックに始めてしまうと挫折する元になるので、最初は小さなことから緩く始めましょう。何より続けることが大切なので、毎日やっても負担に感じない程度にします。
勉強を始めるならまずは15分間だけにしたり、筋トレなら5分間だけやってみたりします。続けていくうちに物足りなくなったら負荷を増やしていきましょう。