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「私は私だから」多部未華子が大切にしてきた自分軸

あこがれの人、がんばってる人、共感できる人。それと、ただ単純に好きだなって思える人。そんな誰かの決断が、自分の決断をあと押ししてくれることってある。20~30代のマイナビウーマン読者と同世代の編集部・ライターが「今話を聞いてみたい!」と思う人物に会って、その人の生き方を切り取るインタビュー連載。

エンタメ

取材・文:於ありさ
撮影:須田卓馬
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

“今の仕事はいつまで続ける気?”

昔は気にならなかった近況を探る言葉が、どんどん苦しくなってきた。ずっとやりたかったインタビューの仕事ができて、私は今、誰よりも幸せなはず。

でも、女性の幸せの定義は、何となく決まっているようだ。そして、20代後半の私は、少し遠い関係性の人から見たら「女性の幸せ」には当てはまってないらしい。

分かってる。いじわるをしたいわけじゃないことを。でも、その言葉が耳障りでしょうがない時があるのも事実だ。

そして、自分に問いかけてしまう。「幸せって何?」「いつになったら満たされるの?」と。

多部未華子から見た「流される主人公」

10月23日より公開される映画『空に住む』の主人公・小早川直実は、現実と夢の間、他人からの目と自分の意志との間をさまよう、つかみどころのない女性だ。

両親の急死を受け止めきれないまま過ごす彼女に、職場の仲間や親戚もどこか気を使っている。直接的な言葉はないが「今は大変な時だから」といつもより優しくしている様子が印象的だった。

(c)2020 HIGH BROW CINEMA

そんな態度に直実は違和感を覚えつつも、流されるまま「まあ、いいか」と事が進んでいく。

話の中で、同じマンションに住む人気俳優・時戸森則と逢瀬を重ねるようになったのも、そんな直実の流されやすさがきっかけだ。

どことなく私たちの姿の生き写しのような小早川直実を演じたのは多部未華子。彼女自身は、直実という人物をどう捉え、どう演じたのだろう。

「すごく難しかったですね。正直、脚本を読んでいるだけだと、直実も他の登場人物も、何を考えているのか分からないところもあり、何を伝えるべきなのか分からなくて……」

そして彼女は小さく息を吸って、直実という人間についてこう続けた。

「実は直実に全く共感できなかったんです。撮影をする前も、全編を撮り終えた今も。『こんな人いるのかも』とは思えるのですが、全てに対して『分かる、分かる』とは思えないんですよね。

それは直実だけじゃなくて、他の登場人物も。全員が全員、哲学っぽいことも言いますし、発言一つ一つをとっても『本当にそんなふうに思ってるのかな』、それとも『共感はしてないけど、相手を思って言っているのかな』ということが分からなくて。

なので、撮影の途中からは100%理解しなくてもいいやと開き直ることにしました。そうしたら気持ちが楽になって、撮影を楽しめるようになりましたね」

ふわふわとした装いに身をまとい、繊細な雰囲気を醸し出す彼女とは裏腹に、その目はまっすぐ前を見ていて、迷いはなかった。そして、多彩な役どころを演じてきた彼女は、演技へのこだわりを次のように語った。

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