女性監督だからこそ感じる苦労もありますか?
監督 この映画が公開された当時、韓国でもよく聞かれましたが、そのときは「あまりよくない状況があります」ということはなかなか言えませんでした。日本も同じかもしれませんが、まだまだ女性監督というのは少ないですよね。私もそのひとりとして考えてみると、目に見える差別よりも隠されたところにある差別というものを時々感じることはあります。
ただ、韓国ではいまフェミニズムに関する話題が加熱しているので、これから変わってくるのではないかと思っているところです。すでに、女性が事件や問題に直面したときにだまって見過ごすのではなくて、自分で表に出すような状況になりつつあります。私の周りにも監督デビューのための準備をしている女性が多いので、韓国でも日本でも女性監督がどんどん増えて、活発に交流できたらいいですね。
韓国の女性監督を引っ張っていく存在として期待が高まりますが、今後挑戦したいことを最後に教えてください。
監督 私自身はやっと長編を1本撮ったばかりで、まだまだ経験が少ないので、先輩としてみんなをリードしていくことになるかどうかはわからないですが、そもそも先輩と後輩の関係というのも男性社会の関係ですよね。なので、これから出てくる人たちとは同僚として連帯していければいいなと感じています。
これから撮りたいのは、この『エターナル』の主人公と対極にあるような女性の物語で、人間の欲望を描くような作品。イ・チャンドン監督の影響だと思いますが、今後も人に関する物語を撮っていきたいと思っています。
緻密な展開に言葉を失う!
静けさのなかにも、人生において忘れていけないものを突きつけられる本作。思わず声を上げてしまいたくなるほど衝撃的な結末とともに、胸に残るものが誰にでもあるはずです。
引き付けられる予告編はこちら!
作品情報
『エターナル』
2月16日(金)、TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
配給:ハーク
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