「ウエストを絞るには筋力トレーニングやエクササイズで腹筋を鍛えるしかない!」、「ストレッチだけじゃ、ぽっこりお腹を解消できない」と思っている人も多いはず。でも、本当にそうなのでしょうか。今回はキュッと引き締ったお腹を手に入れるコツを伝授します。
まずはストレスフルなお腹まわりをリラックスさせよう
お腹のまわりの筋肉は大きく3つに分けることができます。一つひとつ確認してみましょう。
・腹直筋(ふくちょくきん)
身体を曲げたり伸ばしたりする筋肉。身体のバランスをキープする、臓器を正しい位置で保ってその働きを助けるなどの役割もある。
・腹斜筋(ふくしゃきん)
腰を丸めたり身体をひねるときに使う筋肉。外腹斜筋と内腹斜筋の2つから成り、体幹を回したり横に傾けたりする動きの他、骨盤や内臓を支えたり、体幹を支えたりする役割も持つ。
・腹横筋(ふくおうきん)
腹圧をコントロールする呼吸筋の一種で、息を吐くときに働く。他の腹筋群とともに、腹式呼吸、くしゃみ、姿勢維持、排便、分娩などを行うときに欠かせないもの。
このように、お腹まわりの筋肉は日常的に使うものばかり。その中でも腹直筋は、重力に対して一定の姿勢を保つために使われる筋肉「抗重力筋(こうじゅうりょくきん)」であるため、ただ立っているだけでも緊張を強いられています。ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、私たちは常に腹筋を鍛えているようなもの。このような状況で、運動不足や猫背、デスクワークなど、さらなる負荷を掛けていると思うとなんだかかわいそう。
ウエストを絞りたい人もそうでない人も、お腹まわりの筋肉をリラックスさせる必要がありそうです。
何もしていない人ほどストレッチで筋肉を引き締められる!?
ちょっと話が逸れますが、ワークアウトは毎日やるよりも間隔を空けてやったほうが効果的だと言われています。その理由は、筋肉の疲労や損傷が修復されないままトレーニングを行うと、筋肉が慢性的に疲労した状態(オーバートレーニング)になり、筋力が低下するから。オーバートレーニングは、脂肪燃焼の妨げになるどころか脂肪を蓄積しやすい身体をつくるきっかけになってしまいます。
腹筋の収縮が原因で猫背になっている人や悪い姿勢でお腹まわりに負担をかけている人は、常にオーバートレーニングである可能性もあるんだとか!「腹筋がない」と思っている人も、もしかしたら腹筋が疲れすぎてうまく使えていないだけかもしれません。
まずは、ストレッチでお腹まわりをほぐして、筋肉を使える状態に導きましょう。筋肉がほぐれて血のめぐりがよくなれば、トレーニング効果、脂肪燃焼効果、疲労回復効果がアップして、普通に生活するだけでもウエストがシェイプアップされるかもしれません。筋トレやエクササイズなどのワークアウトをはじめるのはそれからです。
今回は、お腹まわりの筋肉を集中的ケアできる3つのストレッチを紹介。とても簡単なので、入浴後や寝る前の習慣にしてください。
1日3分!簡単ストレッチでお腹まわりの筋肉をゆるめる
ぽっこり予防におすすめ!腹直筋のストレッチ
1. 正座の姿勢になったら上体を前に倒し、手を床についてバンザイをする。左右の手の間隔は、肩幅もしくは肩幅よりもやや広めに。
2. 手の平と膝下を床につけたまま腕に力を入れてゆっくりと上体を浮かせ、写真右のようにお腹全体を伸ばすように弓形の体勢に。
3. そのまま骨盤を床につけて30秒間キープ。
4. 手の平と膝下を床につけたまま、ゆっくりと(1)の状態に戻る。これを3回繰り返す。
ポイントは「ゆっくり呼吸する」、「しっかりお腹を伸ばす」の2つ。腰や肩がつらい人は、手から肘下を床につけたまま行ってみてください。
くびれメイクにおすすめ!腹斜筋のストレッチ
1. あぐらの姿勢で背筋を伸ばす。右腕を上げてゆっくりと身体を左に倒す。
2. 左腕は肘まで床につけて、右の脇腹をしっかりと伸ばす。
3. イタ気持ちいいところまで伸ばしたらゆっくりと身体を戻す。これを左右5回ずつ繰り返す。
上半身が前に倒れないよう注意しましょう。できるだけ真横に身体を倒してください。
寝たままでOK!お腹全体をひねるストレッチ
1. 仰向けになり両膝を立てる。お尻とかかとはこぶし3個分くらい空ける。
2. 腕を広げて肩や背中全体を床にくっつけるようにして、上半身を安定させる。
3. かかとを軸にして脚をゆっくり右に倒す。肩や背中は床から浮かないように注意して、腰だけをひねるイメージで膝を床に近づける。
4. お腹まわりが気持ちよく伸ばされるところで5秒キープしたら、ゆっくり脚を戻す。
5. (3)〜(4)を左右交互に5〜10回ずつ行う。
起床後や就寝前など、リラックスした状態で行ってください。胃腸の下垂が気になるときにもおすすめです。
腰や背中のストレッチを同時に行うと、お腹まわりを効率よくシェイプできますよ。
[ストレッチを行う際の注意点]
※腰に不安がある人は十分に注意して行ってください。
※無理なストレッチはケガの原因になります。
※痛みや違和感がある場合はすぐにストレッチを中止して、医師に相談してださい。
photo / Shutterstock