メディアやSNSで代替肉、あるいは大豆ミートという言葉を目にしたり、耳にする機会が増えてきました。その中で、代替肉、あるいは大豆ミートは一体どんな食べ物で、栄養面は実際、どうなのか気になっている方もいるかもしれません。今回、管理栄養士が世界でも流行っている代替肉について詳しく説明したいと思います。
メディアやSNSで代替肉、あるいは大豆ミートという言葉を目にしたり、耳にする機会が増えてきました。その中で、代替肉、あるいは大豆ミートは一体どんな食べ物で、栄養面は実際、どうなのか気になっている方もいるかもしれません。今回、管理栄養士が世界でも流行っている代替肉について詳しく説明したいと思います。
代替肉とはどんなもの?
大豆などの植物由来のお肉
市場に出回っている代替肉は、植物由来の肉を原料としています。植物由来の肉の具体的な原材料は、大豆の他、小麦、エンドウ豆、そら豆ですが、大半は大豆で作られている場合が多いです。
また、植物由来といっても、動物由来の材料も含むものもあるため、菜食主義でも全く動物性食品を食べない方(いわゆるビーガン)には対応していないものもあります。
呼び名は?
大豆で大半が作られている場合は、大豆ミート、小麦の場合はグルテンミートと呼ばれています。そのほか、代替肉の総称として、プラントベースミート、オルタナティブミート、フェイクミートなどがあります。
大豆ミートは基本的に3種類
ひき肉のように細かい「ミンチ」、薄切りタイプの「フィレ」、大きめにカットされている「ブロック」の3種類で、お料理に合わせて使い分けできます。 大豆ミートの使い方は、水やぬるま湯で戻して使う、あるいは数分茹でるのが基本です。
流行っている背景は?
理由1:健康志向によるもの
最近では、代替肉を購入する方はマクロビオティックに取り組んでいる方や菜食主義者の中でも、全く動物性食品を食べない方(ビーガン)以外の消費者も増えていると言われています。「代替肉=健康に良い」と言った考えを持つ健康志向の方々です。
理由2:環境問題の意識の高まり
地球温暖化の問題は日々深刻になっているため、エコフレンドリーな概念を持つ方は多くなっています。そして、肉の生産方法などに疑問を持つ方も増えてきています。
例えば、家畜の放牧地を確保したり飼料を生産するために、森林伐採をする必要があります。森林は光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、温暖化を抑える役目があります。
また、牛などの反芻動物は胃からメタンを排出する性質があります。メタンは、二酸化炭素に次いで地球温暖化に及ぼす影響が大きな温室効果ガスと言われています。
理由3:味の改良
品質や味の改良により、代替肉とは思えないほど食感、味、香りとともに、まるでお肉のような美味しさに仕上げられた商品もあります。そのため、毎日の食生活に気軽に取り入れやすくなっています。
大豆ミートとお肉の栄養価の違いは?
実際の栄養価は、製品情報を確認
代替肉の代表である大豆ミートの栄養価を計算し、肉と比較しました。注意点としては、「大豆ミート」といっても、原材料の違いにより栄養価の差は出てきますので、実際の栄養価は製品情報を確認するのが一番です。
ここでは、普段のお肉と栄養価を比較するため、お肉類は部位により栄養価が大幅に変わってくるため、形状を揃えてひき肉の栄養価と比較しました。また、大豆ミートは成分表では「粒状大豆たんぱく」の名前で収載されています。
また、大豆ミートは水戻しをしてから使用することを考慮し、水戻し後にお肉と同じ重量になるように、重量を調整した数値(3倍)を使用します。
比較1:エネルギーと三大栄養素
100gあたり(大豆ミートは乾燥33.3g)のエネルギーと主な栄養素のバランスを以下の表にまとめて比較しました。
表からも分かるように、大豆ミートは肉類に比べてエネルギーや脂質が低いのが分かります。そのほかには、肉類の炭水化物はほぼ0に近いのに対して、大豆ミートは炭水化物を含んでいます。たんぱく質は肉類よりは少ないものの、顕著な違いは見受けられません。