望郷戦士 全7巻
原作/工藤かずや
作画/北崎拓
小学館
連載:週刊少年サンデー
(1988年38号-1989年51号)
5位は「望郷戦士」。荒れ果てた未来で希望を失わず前を向く中学生(主人公)の姿が眩しいです。
夏休みの旅の途中に核戦争が勃発。中学生4人と小学生1人が、世界大戦後の未来へタイムスリップしてしまいます。生き残るために銃を持ち、戦いながら故郷の東京を目指す5人。ようやくたどり着いた東京は、巨大な壁と軍隊に囲まれていて……。
原作は『ゴルゴ13』などの作品を手掛けていた工藤かずや。少年誌でありながら、ハードボイルドなのはそのためでしょうか。
冬物語 全7巻
原 秀則
小学館
連載:少年ビッグコミック→ヤングサンデー
(1987年-1990年)
6位は「冬物語」。浪人生の恋愛漫画。大人になった今読むと、などまた違った角度で楽しめます。
滑り止めを含むすべての大学に落ちてしまった森川光。予備校に申し込みに行くが、そこで出会った雨宮しおりに一目惚れ。彼女と同じコースを選択したもののそこは東大専科コースでした。
優柔不断な男子がナヨナヨしているだけなのに、続きが気になり読み進めてしまうのは、まさしく作者の手腕によるもの。ラスト近辺の盛り上がりは、涙なしでは読めません。
ぼくんち 全3巻
西原理恵子
小学館
連載;ビッグコミックスピリッツ
(1995年-1998年)
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7位は「ぼくんち」。可愛らしい絵柄とは反対の重く深いテーマが心に刺さります。
四国の田舎の貧乏な漁村。そこに暮らす家族と周辺住民のストーリー。主人公一家は複雑な家庭環境で育ちますが、それは周りの人も同じ。厳しい環境に荒んでしまうことはあっても、根は優しく純粋なのが救いでした。
1997年に文藝春秋漫画賞を受賞し、これが西原理恵子初の受賞歴となります。登場人物に感情移入し、思わず涙してしまう場面も多数。
寄生獣 全10巻
岩明 均
講談社
連載:モーニングオープン増刊→月間アフタヌーン
(1988-1989年/1990年1月号-1995年2月号)
8位は「寄生獣」。生きることは尊い反面、残酷であるということにも気付かされます。大人向けバトルマンガとしても楽しめます。
平凡な男子校生・泉新一にある日異変が。なんと、人間を捕食する性質を持つ寄生生物に右手をのっとられてしまったのです。そんな中起こった同時多発殺人事件。右手の寄生生物・ミギーと新一は共生しながら、寄生生物と対峙しますが……。
当初は『モーニングオープン増刊』で3回完結の予定でしたが、好評のため『アフタヌーン』で連載となりました。
めぞん一刻 全15巻
高橋留美子
小学館
連載:ビッグコミックスピリッツ
(1980年11月号-1987年19号)
9位は「めぞん一刻」。不朽の名作恋愛漫画。軽い気持ちでサクサク読めるのに、最後は心をつかんで離しません。
おんぼろアパート「一刻館」の住人・五代裕作と管理人・音無響子のラブストーリー。奇人変人ばかり集まったアパートの人間模様を高橋留美子が軽快なタッチで描いています。
“未亡人”という聞き慣れない言葉をお茶の間にも浸透させました。『ビッグコミックスピリッツ』創刊を飾る看板連載で、月刊誌時代はほとんどを巻頭カラーで飾っていました。
それでも町は廻っている 全16巻
石黒正数
少年画報社
連載:ヤングキングアワーズ
(2005年5月号-2016年12月号)
10位は、「それでも町は廻っている」。ランキングベスト10内で、もっとも新しい作品です。
嵐山歩鳥の働いているメイド喫茶を中心に話は展開。基本的に1話完結で、内容は日常を描いたコメディ、事件を解決するミステリー、感動モノなどさまざま。
モブだと思っていた通行人が後に重要な登場人物になったり、何気ないセリフが重要なキーワードになっているなど散りばめられた伏線が楽しく、何度読んでも飽きません。
以上、漫画博士たちが選んだ「おすすめ完結漫画 」ランキング10選でした。
そして、まだ終わりではありません。今回のランキングには入らなかったものの、漫画 のプロたちが個人的に「最終回が最高だった」 と思う完結漫画 を追加で紹介してもらいました。
面白い漫画 がたくさんありますよ! それではどうぞ!
さて、ここからはランキングには入らなかったものの、絶対みんなに紹介したい「最高の最終回」を迎えた漫画 たちのご紹介です。5人の識者が自分の推しを3冊ずつセレクトしてくれました。
それでは、それぞれがオススメする漫画 を識者のレビュー付きでご覧ください。
この世界の片隅に
こうの史代
双葉社
ドラえもん(6巻)
藤子・F・不二雄
小学館