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世界遺産を巡る!長崎・天草地方の行くべき教会5選

世界遺産に登録された理由とは?

教会をご紹介する前に、まずは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産になった背景から見ていきましょう。始まりは1637年、藩主の過酷な統治に対して領民が起こした、島原・天草一揆でした。これには弾圧されていたキリシタンも多く参加していました。

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pixabay.com

一揆を機に鎖国が確立されて禁教政策が一層進み、キリシタンは潜伏せざるを得なくなります。キリスト教の祈りが日本の伝統的な信仰に見えるようカモフラージュしたり、離島に移住して潜伏キリシタンの集落を作ったりと、1873年にキリスト教が解禁されるまでの間、キリシタンたちは信仰を捨てることはありませんでした。

独自の形で引き継がれてきた伝統

こうしてキリシタンが続けてきた信仰から生み出された独自の宗教的伝統と、約2世紀にわたる潜伏の歴史は、他に類を見ないものでした。このことがユネスコに認められ、ついに世界遺産に登録されるに至ったんです。

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今回は、登録された遺産のなかから印象的な5つの教会をピックアップ。ステンドグラスや装飾が美しい・可愛らしいものから、和と洋が組み合わせられたユニークなものまでいろいろなタイプの教会がありますから、歴史を学ぶためにもぜひ訪れてみてくださいね!

長崎・天草地方の行くべき教会5選

1.﨑津教会(天草の﨑津集落)

熊本県天草市にある遺産の1つ「天草の崎津集落」にある、崎津教会。現在の建物はキリスト教解禁後の1934年に建てられました。見どころは白い十字架の付いた高い尖塔とゴシック様式の建築、そして国内でも珍しい畳敷きの堂内です。和と洋のギャップに驚かされますよ。

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崎津集落はとりわけユニークな方法で信仰を続けてきた集落で、教会敷地内の史料館では、裏に十字架が描かれた鏡や模様をマリア様に見立てた貝殻などが見られますよ。アクセスは本渡港・鬼池港・富岡港・牛深港から、それぞれ「教会入口バス停」行きの産交バスに乗り、50分~1時間50分です。

﨑津教会をもっと詳しく知りたい!

2.大野教会堂(外海の大野集落)

長崎県長崎市にある「外海の大野集落」は、藩主に棄教を迫られて脱藩した一族やキリシタン大名・小西行長の家来の子孫が移り住んだと伝えられる集落。神社の氏子を装い、一部の神社でキリシタンをひそかに祭神として祀ることで、信仰を続けてきました。

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キリスト教解禁後、集落で建てられたのが大野教会堂です。一見民家のようにも見える瓦屋根と、現地の石を積み上げたという壁が独特の雰囲気を醸し出しており、とってもユニーク。アクセスは、長野駅前南口バス停から「板の浦」行き長崎バスで1時間15分。大野バス停で下車し、徒歩約20分で到着です。

大野教会堂をもっと詳しく知りたい!

3.黒島天主堂(黒島の集落)

長崎県佐世保市にある「黒島の集落」は、キリシタンたちが共同体を保つために選んだ移住先の1つです。黒島の牧場の再開発のため移り住んだキリシタンたちは、仏教徒を装いながらマリア観音を拝むなどして、組織的に潜伏していました。

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そんな黒島のシンボルが黒島天主堂です。40万個ものレンガを使用し、2年かけて1902年に完成した黒島天主堂。バラ窓やリブ・ヴォールトの天井が美しく、身廊と側廊に分かれる三廊式の建物は本格的な教会建築として重要と言われています。アクセスは黒島港から徒歩約30分です。

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4.頭ヶ島天主堂(頭ヶ島の集落)

五島列島の中通島北部に浮かぶ、頭ヶ島。役人の目が届きにくかったことから移住するキリシタンが増え、かつて1軒以外は皆キリシタンだったと言われています。キリスト教解禁後地元の石を切り出し、10年もの歳月をかけて現在の頭ヶ島天主堂が完成しました。見どころは天井の花の装飾で、石造りの外観からは想像できない可愛らしさが魅力です。

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アクセスは、有川港から車で約20分、頭ヶ島停留所から徒歩で約5分。頭ヶ島天主堂を見学する際はインフォメーションセンターに連絡の上、上五島空港から出ているシャトルバスに乗る必要があるのでご注意ください。

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5.大浦天主堂

大浦天主堂は長崎県長崎市にある遺産の1つ。日本に現存するキリスト教建築としては最古のもので、国宝にも指定されています。開国後の1865年、1597年に殉教した「日本二十六聖人」と呼ばれる人々に捧げるために建築されました。

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潜伏していたキリシタンたちが、開国後訪れた宣教師たちに接触して信徒であることを告白した「信徒発見」の地でもあり、潜伏の終わりを告げる遺産となっています。アクセスはJR長崎駅から「正覚寺」下行き市電に乗り「大浦天主堂下」で下車するか、長崎バスに乗って「大浦天主堂下」で降りてください。徒歩でも約35分でたどり着くことができますよ。

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