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[3/8〜3/14の運勢]3月2週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

占い

isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

未知という不透明な経路をたどって

今週のさそり座は、創造的なエクササイズに取り組んでいくような星回り。

カリブ海フランス領マルティニック出身の作家エドゥアール・グリッサンは、複数の言語の接触と衝突によって生じた言語的異種配合と多言語共存という自身のバックグラウンドに立った上で、自己表現という場においていかに引き受けつつ、そのジレンマを超えられるかという問題に触れて次のように述べました。

「不透明性は、それ自体のなかに力を秘め隠しており、外的な根拠によって正当化されることがない。そしてそのことによって、不透明性は「透明性」という概念が私たちを疎外してしまうことに断固抵抗するための力を与えてくれる。」ハイチの亡命演劇集団クイドールによってマルティニックのフォール・ド・フランス市で上演された演劇の主要部分はハイチアン・クレオールで語られたため意味は分からなかったが、そのとき、未知という不透明な通路をたどって、理解に到達したのだ、と。

ここでいうクレオールとは、意思疎通ができない異なる言語圏の間で自然に作り上げられた言語のことを指しますが、グリッサンはそうして引き裂かれた言語のなかにこそ、言葉にふたたびポエティックな生命を与える力を見出し、その自覚的な使用を訴えかけたのです。あなたも誰か何かに「語られて」しまうのではなく、自然なポエティックスとともに自ら「語る」行為のなかで、ある種の生まれ変わりを経験していくことができるはずです。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

この世界の片隅に

今週のいて座は、帰郷者の心理。

「春風や小藪小祭小巡礼」(小林一茶)は、作者52歳の春頃の作。長年の故郷を離れて江戸でひとり孤独に暮らしてきた作者が、ついに正式な許諾とともに土地を得て帰郷したよろこびがよく表れているように思います。

雪解けした北信濃では、ささやかな春祭が催されていたのでしょう。小さな藪が風に揺れ、そこをひっそりとした巡礼が通っていく姿にふれて、作者のなかでにわかに幼なごころがよみがえってきたのでは。子供がいつまでも味のしなくなったガムをもてあそび続けるように、すでに初老をこえた作者もまた、ここでそんな幼なごころをおおいにしゃぶっているような印象すら受けます。

仮にすでに失われたものであったとしても、「故郷」という言葉のひびきから人が何とも言えない懐かしさを感じるのは、そうして幼なごころを通してみずからが何か大きなものの一部だった感覚を思い出すからかも知れません。あなたもまた、まだ自我が溶けだして環境と一体となっていた頃の感覚を部分的に思い出していくことができるはず。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

亡命と製作

今週のやぎ座は、闘う個人としての本質に立ち返っていくような星回り。

『知識人とは何か』の著者であるエドワード・サイードは、パレスチナ人としてエルサレムに生まれ、カイロで教育を受け、プリンストンとハーバードで学位をとった越境的キャリアの人であり、西洋植民地主義によって辛酸をなめさせられてきた背景の持ち主でもありました。サイードは知識人にもインサイダータイプとアウトサイダータイプの2つに分けることができるとした上で、その詳細について次のように述べています。

「いっぽうには現状の社会そのものにどっぷりと浸かり、そこで栄耀栄華の暮らしを送り、反抗とか異議申し立てだのという意識にとりつかれることもない人びと、いうなればイエスマン。もういっぽいにはノーマン、すなわち社会と角突きあわせ、それゆえ特権や権力や名誉に関するかぎり、アウトサイダーとも亡命者とも言える個人。」

続けて、サイードは後者を知識人たらしめる最たる条件として「比喩としての亡命」ということを挙げた上で、それを「安住しないこと、動きつづけること、つねに不安定な、また他人を不安定にさせる状態」から後戻りしないでいることに他ならないのだと結論づけるのです。あなたも自分にとって「越境」とは何を意味しているのかを問うことで、ひとりの周辺的存在としての自覚を深めていくことができるかも知れません。

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