黒にんにくとは、にんにくを発酵・熟成させた食品です。買うと高価な黒にんにくを、自宅で作ってみませんか。時間は少々かかりますが、簡単にお安く作ることができますよ。今回はいろいろな作り方をご紹介します。ぜひ試してみてはいかがでしょうか♪
吉田 鈴
黒にんにくの作り方が知りたい!
健康を意識する方の間で知られる食品、黒にんにく。にんにくなのに臭くなく、プルーンのようなフルーティな味で、にんにくの臭いが苦手な方でも食べられるのではないでしょうか。
商品としても数多く販売されていますが、実は自宅でも簡単に作ることができます。特殊な道具もいりません。家族で食べたい、料理にも使いたいという方は、ぜひ作ってみてください。
にんにく選びのポイント
熱を加えて発酵させる時に水分が抜けて小さくなるので、できるだけひと粒が大きめのものを選びましょう。粒がそろっていると発酵スピードが同じになり、うまくできます。
また、新にんにくの場合は水分が多めで、べしゃっとした仕上がりになる場合があります。ざるやネットなどに入れ、皮がぱりっとするまで外で干してから作るといいでしょう。
臭い対策は必須
炊飯器で作る場合、最初の数日間は特に強烈な臭いが立ち込めます。室内で作るのはむずかしく、基本的に外で作ることになります。その場合も「すき間のある木箱、段ボール、発泡スチロールの箱などで覆う」「なるべくお隣に近くない場所で作る」など、対策が必要です。
炊飯器で作る以外の方法を試すほか、「酢に一日漬けてから作る」「料理酒をスプレーして一日置いてから作る」という方法も、臭いを少なくすることができます。
黒にんにくの作り方1. 炊飯器で作る
一番多く作られているのが、炊飯器を使う方法です。発酵に必要な温度が70~80℃で、炊飯器の保温温度がこれに近いため、合理的な作り方です。
ただし炊飯器に臭いがつくので、黒にんにく専用にした方がいいでしょう。保温機能しか使わないので、使い古しの炊飯器や、リサイクルショップなどで買って用意してください。
今回は酢を使い、臭いを少なくする作り方をご紹介しましょう。
材料(3~5人分)
・にんにく……適量(青森県産の大玉にんにくなら、3合炊きで約6個、5合炊きで約10個入ります)
・酢……適量(にんにくが漬かるくらい)
ほかに用意するもの……炊飯器、竹ざる、ガーゼ
作り方
にんにくを炊飯器に入れ、酢をひたひたに注いで、1日置きます。保存バッグににんにくを入れて、酢を入れて空気を抜いて密閉する方法だと、酢を少なくすることができます。
1日漬けたら、酢からにんにくを取り出し、半日~1日、外で干します。使った酢は、次に黒にんにくを作る時のために取っておきましょう。
焦げ付き防止のため、炊飯器の釜の底に竹ざるを敷きます。そこに、干したにんにくを詰め込み、上からガーゼをかけます。ガーゼをかけることで、むらなく発酵が進みます。
ふたをして、保温スイッチを押し、10日~2週間そのままにしておきます。1週間くらいの間は、1日1回程度、上下を返してください。
皮をむいてみて、黒くねっとりした状態になっていたらできあがり。外で1日干してから保存します。
常温保存で約1か月食べられますが、もっと持たせたい場合は保存バッグに入れて、冷蔵庫へ入れてください。
作るときのコツと注意するポイント
直接入れると焦げ付きやすくなるので、底に竹ざるは必須です。玉のままでも、粒をばらして入れても作ることができますが、皮はむかないようにしてください。むくと、その部分が硬くなってしまいます。
炊飯器は、ある一定温度以上になると自動で電源が切れるタイプもあるので、その場合はスイッチを入れ直してください。酢を使っているので臭いは抑えられていますが、気になる方は臭い対策をしましょう。
黒にんにくの作り方2. 保温ジャーで作る
保温ジャーとは、ごはんを保温しておく道具です。炊飯器と違うのは、保温機能のみなので蒸気が出る穴がないこと。蒸気の出る穴がないので臭いを防ぐことができますし、低めの温度設定なので焦げ付きにくく、マイルドな味に仕上がります。
材料(5~10人分)
・にんにく……1~2kg(一升用の保温ジャーの場合)
ほかに用意するもの…保温ジャー、新聞紙
作り方
電子ジャーの釜に、焦げ付き防止の新聞紙を敷き、にんにくを入れます。この時、新聞紙でかるく包むようにしておきます。
ふたをしてスイッチを入れ、2週間そのままにしておきます。
2週間たったらふたを開け、黒くねっとりとしていたらできあがり。まだ水分が多いように感じたら、もう少し保温しましょう。外で1日干してから保存します。
保存は炊飯器で作った時と同様に、常温で1か月、冷蔵保存で半年くらいです。
作るときのコツと注意するポイント
炊飯器の時よりも設定温度が低めなので、できあがりに時間がかかるかもしれません。蒸気が出る穴がないので、にんにくはしっかり乾燥したものを使いましょう。
においは出にくいものの、まったくしないわけではありません。気になる方は箱をかぶせたり、炊飯器の時のように酢に漬けたり料理酒をかけたりしてから、作るようにしましょう。
黒にんにくの作り方3. 圧力鍋で作る
圧力鍋を使って作ることもできます。簡易的な仕上がりで、本当に熟成した黒にんにくではありませんが、手軽に作ることができます。道具をわざわざ用意したくない、とりあえず作ってみたいという方にはおすすめです。