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うまくいっていない夫婦に共通して見られる「心のクセ」とは?3つの解決アドバイス|臨床心理士が解説

恋愛・結婚

周りの夫婦を見ていて、あるいは自分たち夫婦の様子を振り返り、「すれ違っている気がする」「うまくいっていない」と感じているのであれば、一度自分の中にある心のくせを見直してみる必要があるかもしれません。

夫婦関係に負のスパイラルをもたらす、心のクセとは?

臨床心理士の筆者は、カウンセリング、あるいはプライベートの中で「好きで結婚したはずなのに、結婚してからパートナーと関係が悪くなった」といった相談を受ける機会が多々あります。夫婦っておそらく人間関係の中で一番近い関係性にあたるもの。そんな関係の人とうまくいかないとなると、つらくなってしまいますよね。夫婦関係に悩む人たちの相談を聴いてきた中で、その人たちが行っているコミュニケーションの中に、とある共通点を見つけました。それは、相手にも自分にも【非合理的な思い込み】を抱いており、それが良い関係を気づくことへの足かせになっているということです。【非合理的な思い込み】とは、ある出来事に対して、「こうするべき」「そうするべきではない」と考えてしまう思考のこと。こうした思考を臨床心理学の中では【偏った思考・歪んだ思考】といった言い方をします。こうした思考をすることが心のクセになっていると、自分の思っていることが相手にうまく伝わらない、ネガティブな感情が強まる、問題が大きくなるといったことになってしまいます。

夫婦間でおきがちな【非合理的な思い込み】とは

夫婦の中で起きやすいと言われている【非合理的な思い込み】をいくつか挙げています。当てはまる人は、パートナーに対する接し方を一度考えてみると良いかもしれません。

自分の気持ちや考えは言わなくてもわかるはず

「毎日一緒にいるんだから、私の思ってることはわかるでしょ?」と思いがちですが、実はこれが間違い。どんなに好き同士で毎日一緒にいても、相手の気持ちや考えをすべて察することには限界があるのです。

相手が傷つくことは言うべきでない

「これ言ったら傷つくんじゃないかな?」と思うと、どうしても自分の気持ちに蓋をしてしまいがち。相手に言えないことが増えていくと、自分自身のストレスが溜まっていったり、考えすぎて相手への行動が不自然になってしまったりします。

2人の価値観は一致しているはず

夫婦といっても、それぞれ違う環境で育ってきた全く別の人間です。ですから、価値観が一致するということはあり得ません。相手と考え方や価値観がズレるのはむしろ自然なことです。

「男(女)なんだから、こうあるべき!」

古くからのジェンダー観によって、どうしてもこういった思考に陥りがちですが、男女問わず様々なタイプの人がいます。また、そういった古い価値観が自分自身を縛っている場合もあるかもしれませんね。

夫婦関係をスムーズにするためのコミュニケーション3か条

自己開示

自己開示とは、自分自身の気持ちや考え、情報を相手に話すこと。自己開示をすることによって、返報性の法則(人から何か施しを受けたら、「お返しをしなくては」という心理)が働くため、相手も自分の気持ちや本音を口にしやすくなります。自己開示はまだ関係性が浅い人間関係の中で用いられることが多いスキルですが、夫婦という近しい関係の中で使うと、相手への理解が深まり、パートナーにありのままの自分を知ってもらうことに役立ちますよ。

合理的な思い込み

非合理的な思い込みは、「〇〇でなければならない」という縛られた考えですが、これを合理的な思い込みへと書き換えていくことで、パートナーとの関係性はグッと変わります。合理的な思い込みは「できれば、〇〇である方が良い」「〇〇なこともあるかも」といった柔軟な考え方です。例えば、パートナーが自分の気持ちを伝えてくれないのだとしたら、「はっきり言わないなんてずるい」という思考から、「もしかしたらどう表現したら良いのか分からないのかも」といった思考に書き換えます。少し攻撃性が減って、気持ちも穏やかになる感じがしませんか?

弱さを表現できること

これは【アサーション】と呼ばれるコミュニケーションスキルのひとつです。『寂しい』『悲しい』『つらい』など、弱さを表現することで相手に自分の気持ちが伝わりやすくなります。例えばパートナーに対して怒りを感じているとしたら、その怒りの裏にはどんな気持ちが隠されているでしょう。きっと、相手に自分の気持ちを分かってもらえない悲しさや通じ合えない寂しさではないでしょうか。そういった弱さの気持ちを表現するのが恥ずかしいからと思って、怒りという方法を使って隠していたりしますが、それが返って本音を伝わりづらくしているのかも。思い切って、「〇〇と思っているけど、それがあなたに伝わらなくて悲しい」と伝えてみることで、相手の気持ちや行動に変化が起きるかもしれませんよ。

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