何かと不調が起きやすいこの季節に覚えておきたい「自律神経」についてフォーカス。夜の過ごし方で気をつけるべきポイントをプロが解説します!
冷え、不眠、ストレスに「切り替えスイッチ」で立ち向かう
自律神経を味方につける100知識
自律神経を整える
1日の過ごし方
自律神経を整えるには、1日の過ごし方がとても大事! 朝、昼、夜のおすすめの過ごし方を知っておき、正しいリズムに整えて。
夜
夜のポイントは、交感神経の働きを抑えていき、寝る前までに副交感神経にきっちりと切り替えること。これで朝までぐっすり。
照明はできるだけ暗めに
「眠気を誘うホルモン・メラトニンの分泌は明るい光によって減ってしまうため、眠気が妨げられます。夜は間接照明にするなどして照明を暗めにしましょう」(西川さん)
夕食は寝る3時間前までに
「夕食を摂ってから寝るまでの時間が短いと、交感神経が高いまま寝ることになり、副交感神経によって行われる消化・吸収が不十分になり、睡眠の質も低下。夕食は寝る3時間前までに済ませましょう」(小林先生)
ベストな食事の比率は朝4:昼2:夜4
「1日の食事の割合は朝4:昼2:夜4がベスト。ただし夕食が21時以降になる場合は4:2:2にして消化がいいものに」(小林先生)
夕食はなるべく温かいものを
「夕食はスープなど温かいものを取り入れて。胃腸の血流を促して、副交感神経の働きを高め、疲れも癒やされます」(小林先生)
よく噛んで食べて、副交感神経を優位に
「よく噛むと消化がよくなるだけでなく、副交感神経が高まり、少量で満腹感も得やすく。夕食はよく噛んで食べること」(小林先生)
飲むときはお酒1に対して、水1
「過度な飲酒は脱水を招き、血液がドロドロになって自律神経も乱れます。適量を守り、お酒1杯に対し、水1杯を飲んで」(小林先生)
夕食後の3時間で交感→副交感に切り替える
「夕食を摂ると腸が働き始めて副交感神経が優位になっていき、お休みモードに。この切り替えは食後3時間で行われるので、リラックスして過ごすこと」(小林先生)
38℃のお湯に15分浸かって眠気を誘う
「睡眠に入るには深部体温が下がることが必要なので、入浴でいったん体温を上げるのが◎。就寝1時間〜1時間半ほど前に38〜40℃のお湯に10〜15分浸かるのが効果的」(西川さん)
30分間は必ず、好きなことを
「1日のうち30分だけ、自分だけの自由な時間を作りましょう。気持ちよく過ごすことで自律神経のバランスが整います」(小林先生)
脳が心地よく感じる音楽を聞いてリラックス
「好きな音楽を聴くと緊張がほぐれ、副交感神経が優位に。テンポが一定で音階変化が少なく、自分が心地よく感じる音楽が効果的」(小林先生)
寝る前に少しでも明日の準備をしておく
「夜のうちに明日の準備を少しでもしておけば、不安感がなくなり、朝に慌てることもないので自律神経も乱れません」(小林先生)
首の周りをほぐしたり、温めて副交感神経を優位に
「首には自律神経に関係する迷走神経があり、温めたりほぐしたりすると副交感神経が優位に。ホットタオルなどで温めて」(小林先生)
リラックスする香りで、心地よい睡眠に導く
「心地よい香りを部屋に漂わせるのも快眠のコツ。ラベンダーやベルガモット、フランキンセンスなど鎮静効果のある香りがいいですが、自分が好きな香りであることが大切」(西川さん)
ペットやパートナーと触れ合って、オキシトシンを増やす
「パートナーやペットと触れ合うと親愛ホルモンのオキシトシンが分泌され、メラトニンの分泌も促進。1日の終わりはパートナーやペットと触れ合う時間を増やして」(西川さん)
寝る前にスプーン1杯の上質のオイルを摂る
「寝る前にオリーブオイルや亜麻仁油などの上質なオイルをスプーン1杯飲んで。翌朝の便通がよくなり、自律神経も整います」(小林先生)
肋骨下をゆるめて呼吸を深くすると寝つきがスムーズ
「肋骨の下部(ブラのホックの下あたり)が硬くなっていると呼吸がしづらくなり、睡眠の質が下がります。寝る前に以下の方法でほぐしましょう。消化も促進します」(星野さん)
疲れた日は、全身をほぐす「ワニのポーズ」も効果的
「1日の疲れをほぐすならワニのポーズを。背中と腰がねじれて血行がよくなり、体の緊張がほぐれて睡眠の質が向上」(西川さん)
睡眠の質を高める室温は夏は26℃、湿度は50~60%
「快眠のための室温は、夏は26℃以下、冬は16℃以上、湿度は冬と夏ともに50〜60%が最適とされています。エアコンで上手く調節を。夏は風が直接当たらないようにし、エアコンをつけて寝るのがおすすめ」(西川さん)
眠くなるまではベッドに行かない
「眠くないのにベッドに入ると“眠れない”と考えて余計に眠れなくなるので、眠くなるまでベッドに入らないこと。もしベッドに入って眠れなかったらベッドから出ましょう」(西川さん)
寝室にスマホを持ち込まない
「寝る前にスマホを見ると、メラトニンの分泌が減るので、スマホは寝室に持ち込まないのがベスト。朝のアラームもスマホにするのでなく、時計にしましょう」(西川さん)
寝具で睡眠の質を向上
マットレスは立ったときのよい姿勢を保てるものが◎
「マットレスは、寝たときに全身の力がスーッと抜け、立ったときのよい姿勢が保てるものを。柔らかすぎて腰が沈むものや、硬すぎて背中や腰が反るものは避けて」(西川さん)
掛け布団は、ダウン93%程度の羽毛布団が理想的
「掛け布団は、暑いときは湿気を排出し、寒いときは断熱層を増やす羽毛がおすすめ。羽毛布団にはダウンとフェザーが入っていて、ダウン93%程度のものが使い心地がよく理想的」(西川さん)
枕は呼吸がしやすく、ある程度の硬さのあるものを
「枕の素材は好みのものでよいですが、基本は頭と首をしっかり支えるウレタン製で、ある程度硬さがあるものを。寝たときに呼吸がしやすく、二重顎にならず、立ったときのよい姿勢が保てるものを」(西川さん)
パジャマは伸縮性、吸湿発散性が高いものを
「パジャマは、伸縮性が高く、吸湿発散性が高いものを。綿95%・ポリウレタン5%程度の綿混素材のものか、モダール50%以上のものが寝心地がよくおすすめ」(西川さん)
MAQUIA 8月号
撮影/彦坂栄治〈まきうらオフィス〉(朝比奈さん分) 藤澤由加(佐藤さん分) ヘア&メイク/榛沢麻衣 スタイリスト/立石和代 モデル/朝比奈 彩 佐藤さき(マキアビューティズ) イラスト/德丸ゆう 取材・文/和田美穂 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
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