ものを少なくしてすっきり暮らしたいと思いつつも、なかなか実現できずお悩みの方は多いはず。そこで、元マキシマリストだと語るミニマリスト・minimal.igさんに、どのようにして今の暮らしにたどり着いたかを伺ってみることに。手放しにくい服や贈り物、思い出のあるものを減らした方法も教えていただきました。
持たない暮らしを実現させた、元マキシマリスト
ミニマリストの__minimal.igさんは、子育てを終え、旦那様とボタンインコのちーさんと共に35平米の賃貸1LDKで暮らしています。写真のダイニングスペースからもわかるように、部屋には無駄なものが置かれておらず、とてもすっきり。Instagramには、このように整った部屋や厳選した日用品などの写真を投稿されています。ミニマルに暮らすための心がけや、その生活で感じられることなども丁寧に綴られていて、見習いたくなることばかりです。
今の状況から想像するのは難しいですが、かつてはものをたくさん持つマキシマリストだったという__minimal.igさん。なぜ、ミニマリストに変わることができたのでしょう?
始まりは、「自分が明日いなくなったらどうなる?」ということを常に考えるようになったというある経験でした。
遺品整理で感じた、ものを持ちすぎることのデメリット
_minimal.igさんがものを減らすきっかけとなったのは、多趣味でたくさんのものを持っていたお父様が亡くなられたときの遺品整理。
その際、家族で「懐かしいね」と話せたのは最初のうちだけだったと言います。ものが多すぎ、手をどんなに動かしても、作業の終わりがまったく見えてこなかったためです。最終的には業者に頼むことになり、時間もお金もかかってしまい、思い出や淋しさに向き合う余裕もなかったそう。
そのとき、「自分に万が一のことがあったときにはどうなるだろう?」と考えた__minimal.igさん。家族に同じような大変な思いをさせたくないと感じ、ものを手放すことを決意します。
実際にものを減らしてみると、すっきりして心地がいいと感じられたそう。目的のものを探しやすくなり、視界に余白があることで心にも余裕が出てきたのです。
けれどそれだけではなく、買うのは簡単でも、処分するには倍以上の労力を使うことも実感。本当に必要なものだけを手元に置き、不要なものは増やしたくないという思いが強まったそうです。
最終的に10年ほどの年月をかけてものを整理し、今のように少ないものだけでの暮らしを実現させました。
捨てにくいものトップ3の減らし方&増やさない工夫
ものを減らすことに成功した__minimal.igさんに、多くの人にとってなかなか捨られないアイテムとして挙がる「服」「人からもらったもの」「思い出のもの」をどのように手放したのかを教えていただきました。
服は今あるものを着回し&本当に必要なものだけを入手
__minimal.igさんも以前は服をたくさん持っていましたが、数年かけて減らしたのだとか。まずは買う数を減らして、今ある服だけで着回すことを意識。傷んだら処分するというのを繰り返して絞り込んだと言います。
そう聞くとおしゃれを我慢することになるようにも感じますが、本当に好きな服が残り、その後買うものも好きな色やデザインだけに。結果、統一感のあるコーディネートができるようになったそうです。
「たくさんの服を手放した後は、自分に必要なもの、似合うものだけを着倒す覚悟で厳選して購入するようになりました。そうやって選ぶと、手に取るものは年に数えるほどしかありません。捨てるのも、傷んできたときのみです」(__minimal.igさん、以下同)
多くの人が服を捨てにくいと感じるのは、「まだ着られるのに」「高かったのにもったいない」といった思いがあるからではないでしょうか?まずはその葛藤と向き合い、本当に好きな服や似合う服を把握することが第一歩。その後は絶対に着るというものだけを選べるようになれば、服が多すぎる窮屈さや捨てるときの罪悪感から解放されるはず。
使わないものは写真で残す&消えるものだけをもらう
人からもらうものの中には、ときにデザインや使用感が自分に合わないというものも出てきます。かと言って捨てるのは躊躇してしまうもの。
__minimal.igさんも、贈り物で受け取ったものは処分しにくく、ブリザードフラワーやオブジェなどを長い間残していたそう。それでもあるときから割り切って写真を撮るようにし、現物は手放すように。その後は、同じことを繰り返さないための心がけもされています。
「今はミニマリストを公言しているので、プレゼントやお土産は基本的に消耗品や食品しかもらわないようになりました。まわりの方たちは、消えてなくなるものを選んでくれます」
使わずに置きっぱなしになり、スペースが取られてモヤモヤし続けるなら、一度捨てるときの心のいたみを受け入れてしまうほうがあとは楽かもしれません。また、それ以降は使わないものをもらわずに済むよう、予め人に伝えておくのは良い手段ですね。
思い出のものも写真で振り返る&本当に大切なものだけを手元に
旅行や行事の記念の品など、思い出のものは年々増えていくもの。できる限り取っておきたくなりますが、保管できるスペースが限られていればなんとかしなくてはいけません。
__minimal.igさんは、お子さんが作った作品や絵、賞状なども写真に撮るなどし、デジタル化して保存。現品は処分しているそうです。
「写真になっていれば思い出は蘇るので十分です。でもすべてをデジタルにしているわけではなく、使わなくても大切な手紙など、心温まるものは残しています」
実物がなくても、写真におさめてあれば、その姿かたちは鮮明なまま。眺めれば思い出すことができます。あとは厳選したものだけが現品として身近にあれば、目にするたびにうれしい気持ちになれ、それらをより大切にできるのではないでしょうか?
ものを減らすと自己管理がしやすくなり、前向きになれる
自分自身が本当に必要とするものを厳選している__minimal.igさん。お話を聞いていると、答えが潔く、軸がしっかりとしている印象でした。きっと心の中もすっきりとしていて、思いが明確なのだろうなと感じます。
最後に、ものを手放すことに迷いが生じてしまう人にメッセージをいただきました。