今週のしし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
素直になっていくための儀式
今週のしし座は、自分の思っていることひとつとっても、どこかから来た思いが巡っているのだと捉えなおしていくような星回り。
哲人皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』は、最盛期のローマ帝国の皇帝であった著者の日記であり、原題が「自分自身に」であるように、激務の傍ら自身の悩みと葛藤、信念と希望とをひたすら自分のために綴っていった備忘録であり、起きた事実をそのまま記録したのではなく、自分が為すべき行動の規範やその参考となる考え方(ストア派の哲学など)を書きつけたものでした。
「これ以上さまよい歩くな。(中略)お前の生の目的に向かって一路急げ」
「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。(中略)生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。」
著者はこのように書き記すことによって、まさに精神をそこに鎮め、その積み重ねを通してなすべき行動を確定させていったのです。今週のしし座もまた、そんな著者のように自らの精神を深め、行動を支えてくれるような基盤を改めて整えていくことに注力していきたいところです。
今週のおとめ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
情が動いてナンボ
今週のおとめ座は、無自覚だった自己投影が、回収されていくような星回り。
「櫛買へば簪がこびる夜寒かな」(渡辺水巴)は、秋の夜寒のものの数分の出来事について詠まれた句。店頭に立って櫛を買ったところまではいつも通り。ところが、そのそばにあった「簪(かんざし)」が、自分も買ってもらいたいような風をしてこちらに媚びている、というのです。
おそらくこれは、実際に簪がそうしているというより、実は人のほうがあの簪もうつくしいと気付いて、欲しい気持ちが出てきているのだけれど、その何とも言えない情を簪のほうに寄せて、簪が人に媚びておると言ってみせた訳です。
擬人化というのは、いつでも起こるというものではなくて、「美しい」とか「奇妙だ」とか、まずこちらの情が動いて、それが対象に投影されて始めて起こってくるプロセスであって、掲句はそうした“物”とのやり取りをどこかで楽しんでいる句なのだとも言えるかもしれません。あなたもまた、人と人でないものを区別することなく関わりそのものを楽しんでいくつもりで過ごしていくべし。
今週のてんびん座の運勢

illustration by ニシイズミユカ