負けず嫌いの自分を好きになれない人もいるでしょう。一方で、あまり闘争心がなくいまひとつがんばりきれないというタイプの人は、負けず嫌いの人に憧れる面もあるかもしれません。負けず嫌いに共通する特徴にはどんなものがあるのでしょうか。また、よい意味での負けず嫌いなる方法、行きすぎた負けず嫌いを直す方法があれば知りたいもの。心理カウンセラーの高見綾さんに詳しく教えてもらいましょう。
■負けず嫌いに共通する特徴について

まずは、負けず嫌いの意味や負けず嫌いの人の特徴について教えてもらいました。
◇負けず嫌いの意味って?
負けず嫌いとは、人に負けることが嫌いな性質のことを言います。現代では「負けず嫌い」と表現しますが、明治時代には「負け嫌い」という言い方がされていたようです。ほかにも「負ける嫌い」、「負けず魂」という表現もありました。負けず嫌いな人は競争心が旺盛で、それゆえとても努力家であることが多いです。目標を立ててそれに向かって一生懸命がんばります。負けず嫌いな性格は、表に出やすい人と出にくい人がいます。表に出さないタイプの人は面と向かって張り合うことはしませんが、静かに情熱を持って人知れず悔しがったり陰で努力を重ねたりすることが多いでしょう。負けず嫌いな人はエネルギッシュで面倒見もよく、組織において中心的な人物になることも少なくありません。
◇負けず嫌いの人の特徴
次の5つのような特徴があります。
☆向上心がある努力家
向上しようという意欲があり努力を惜しみません。特にライバルがいると燃えやすく、競争して切磋琢磨することが好きです。
☆競争心が強い
負けたくないと思っている分野については競争心が強いです。自分よりできる人を見ると、嫉妬したり落ち込んだりすることも。
☆高い目標を持つ
理想が高く、「自分はこれくらいできるはずだ」と考えます。そのため、高い目標を掲げてがんばることができるのです。
☆プライドが高い
負けず嫌いな人はプライドが高いです。周囲の人よりも優位な存在でありたいと無意識に感じていることがあります。
☆見栄っ張り
優位に立ちたいと無意識に思うために、見栄を張ってしまうところがあります。間違いを指摘されることが嫌いです。
◇負けず嫌いの人の心理状況
仕事では負けず嫌いな性質が発揮される多くの場面があります。私たちが嫉妬するのは「自分と同じくらいのレベル」だと認識している人に対してです。ライバル心とは「少し背伸びをしてがんばれば手が届く」と感じた相手に対して持つもの。
たとえば同僚が仕事で活躍しはじめて、よい成績を出して上司から評価されているとします。そういった状況を負けず嫌いな人が見ると、悔しいと感じるでしょう。ときには同僚の才能に嫉妬し、同じようによい成績を出せていない自分が情けなくて落ち込むことも。その悔しさをバネに、最終的には「私にもできるはず」と考え、どうやれば追いつけるのか思案して必死に努力を重ねます。
負けず嫌いな人はとても努力家で、成果が出るまでがんばり続ける粘り強さを持っているのです。その結果、ときには同僚を上回る成績を出すこともあるでしょう。