isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
星乃せいこさんによる「毎月の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
お前はもうにじみ出ている
今週のおひつじ座は、みずからの境遇の根底にあるものを、しみじみ感じていくような星回り。
「柿売つて何買ふ尼の身そら哉」(村上鬼城)で詠われているのは、尼寺の軒のはしで尼が柿を商売人に売っているといった情景。尼はそうして得たわずかばかりのお金でいったい何を買おうというのか。なにぶん墨染の衣をまとって、粗末なものを食べ、貧しい田舎の尼寺に引っ込んでしまっている身ですから、多少のお金を得たからといって何をどう楽しもうということもできないではないかと。
ただ「身そら」とありますから、作者はそれをバカにしたり、なじったりしている訳では決してなくて、そういう境遇にいる世捨て人としてのひとりの女性に何とも言えない憐れみを感じたのでしょう。
作者は耳が聞こえず、人並みに働くことも一苦労な上に、家族も多く長らく困窮した生活を送ったためか、貧しいもの、弱きもの、老いや病いを抱えたものに対する熱情はひとかなたならぬものがありました。この句でも、尼の境遇に自身のそれを少なからず重ねていたはず。あなたも、自分の「身そら」からにじみ出す個性や人間性がどんなものであるかという実感を深めていくことになりそうです。
今週のおうし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
地獄に菩薩
今週のおうし座は、境界のところで立ち止まって、なにか語りえないものに触れていこうとするような星回り。
それはまるで、ヘルダーリンの「功績は多い。だが人は詩人としてこの世に住んでいる」という詩のよう。世の中の人はみな功績によって生きている。企業経営者であれ、絵描きであれ、肉屋であれ、みな生きている以上、この世に功績を残すことをやっているし、その意味でこの世は功績でいっぱいです。
けれど、人はこの世で詩人として住んでいる。つまり、実用性や有効性の次元と違う生の次元に触れているじゃないかと、ヘルダーリンは歌っているのです。生活と生存のための社会的地平は水平ですが、ヘルダーリンが言っているような詩的感性はそこに垂直に立ち上がってくるものであり、仏教ではそういう垂直的地平を他力と呼びます。
それは人間が自分の力で支配できない次元、人間に対して贈られている次元であり、詩や詩的なものはそういう次元に人間を連れていってくれる。そうすると、菩薩も単に神々しい存在というだけでなく、仏に向かおうとする人間の根源的な在り方の問題ということにもなってくる。あなたも、そういう垂直的な次元に触れているところで、ひとりの菩薩と化していくことがテーマとなっていきそうです。